2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋中深層における非極限性古細菌の分子生態学的研究
Project/Area Number |
18201003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10161895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦川 秀敏 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (90370262)
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50260518)
河原林 裕 独立行政法人産業技術総研究所, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (90195165)
千浦 博 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00103698)
常田 聡 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (30281645)
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Keywords | 海洋中深層 / 古細菌 / ゲノム解析 / 窒素代謝 / 有機物代謝 |
Research Abstract |
3年計画のプロジェクトの1年目として主に方法論的な検討を行った。東大海洋研究所のグループ(木暮、小川、浦川、濱崎、西村)はまず、海洋細菌群集の群集構造の解明の手法を検討し、BrDUの取り込みから高機能を持つ微生物群集を選択的に検出、定量する方法を確立した。現在、古細菌のBrDUの取り込み能の有無の検討を続けている。さらに、密度勾配を用い、天然の細菌群集を密度に応じて分取することにより、重いフラクションに古細菌が濃縮されることを明らかにした。この現象を説明する機構の一つとして、菌体表面に何らかの金属元素が吸着しているとの仮説を立て、現在検討中である。また、これに合わせ、海中の金属元素の定量に関する方法論的な検討も行った。スール海、西部太平洋での細菌群集の鉛直的な構造について検討した。この結果、古細菌と真正細菌の多様性指数に違いがあることが分かり、現在数値的な解析を進めるとともに、これに関して他の海域のサンプルとも併せ、解析予定である。 砂村は主に光学的手法と分子的アプローチの組み合わせから、古細菌を特異的に検出する系の確立を試みている。その結果、従来よりも高感度でより特異性の高い系の開発のめどが立った。千浦は海洋中のウイルス粒子が古細菌群集に対してどのような生態的インパクトを持っているのか、遺伝子伝達粒子としてどのような機能を果たしているかについて、外洋深層および表層のサンプルを中心に解析している。河原林は、いわゆるメタジェノミクス的アプローチから、外洋の古細菌群集の存在と遺伝構造の特徴を解明するために、方法論的な検討を行い、そのめどがついた。
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