2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 佐知子 Osaka University, 文学研究科, 教授 (00181412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 葉子 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20193815)
三好 恵真子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (60294170)
太田 妙子 大阪大学, 保健センター, 教授 (10135759)
藤原 克美 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (50304069)
池田 忍 千葉大学, 文学部, 教授 (90272286)
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Keywords | 着衣 / 身体 / ジェンダー表象 / アイデンティティ / 伝統 / ネイション / 差異の政治学 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
最終年度である本年度の成果は3つに大別される。ひとつは、1月8日に「着衣する身体と異性装-日・タイの比較-」と題するシンポジウムをタイ国チュラーローンコン大学文学部と共同開催したことである。<衣服と異性装>というテーマに焦点を当て、ジェンダーの観点から両国における専門家による事例の分析にくわえ、教員・学生の参加のもと、<衣服と異性装>にまつわる観点から様々なトピックを立て、意見交換およびディスカッションを行った。トランスジェンダーの先進地域であるタイで、衣服と異性装をめぐって生ずる実際的な文化状況を捉え、そこにみられる両国の差異および社会的摩擦など、現場に密着した場面での理解を試み、単に抽象的、モデル的に事例を理解するのではなく現場に即した肌に触れる知を提示したことは、日・タイの異性装およびジェンダー研究の深化に貢献するものとなった。また、このシンポジウムの成果は、3月に報告書として刊行した。二つめは、東京分科会が3年間の研究成果を報告書として刊行したことである。男性身体の周縁に位置づけられた女性身体の可変性、着衣による身体のイコン化と増殖現象、共同体による着衣身体の共有と変換、ジェンダー秩序の中で受容される女性身体の意味とその操作、そして既存の共同体の集合的に実践や意識/無意識が、視覚表象と深く関わり相互交渉がなされていることを各々のテーマの中に内在させた報告書の意義は、着衣をめぐる表象の政治性を明らかにし、着衣と表象をめぐる諸現象の基本的な枠組を提示したことにある。三つめは、個別地域のさまざまな局面で立ち現れる着衣、身体、女性の関係を読み解くための共通の枠組みを構築し、ローカルな視点とグローバルな視点の接合によって開ける多様性のなかの着衣研究の成果を三巻本として刊行するために、編集員会を立ち上げ、これまでの意見交換会で出た集積回路の修正をしつつ、20数本の論文の編集作業を行ったことである。「着衣の歴史」「身体の政治」「身体の歴史」という大枠で編集される論文集は、着衣とジェンダーの関係を世界の多様性の中で理解し、再びグローバルな枠組みの中で総合する形で、従来の研究を発展させるものとして位置づけられる。 なお、今年度の活動、論文の要旨等をHPで公開している。
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Research Products
(8 results)