2008 Fiscal Year Annual Research Report
江戸幕府・朝廷・諸藩の編年史・編纂史料集の史料学的研究
Project/Area Number |
18202018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博文 The University of Tokyo, 史料編纂所, 教授 (80158302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
佐藤 孝之 東京大学, 史料編纂所, 教授 (30170757)
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80251479)
松澤 克行 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40282529)
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Keywords | 江戸幕府 / 江戸幕府財政 / 朝幕関係 / 長崎貿易 / 編年史料 |
Research Abstract |
江戸幕府政治史については、大蔵省編纂の『日本財政経済史料』は、江戸幕府財政史の基本的な史料であるが、租税、雑税、米倉、輸米、貯績など部類分けになっており、編年史料としては活用しがたい。そのため、「日本財政経済史料」の各項目を、所収史料をもとに綱文に直し、それをデータベースとして編年史料集として研究に活用する作業を行った。『日本財政経済史料』所収の諸史料を検討していく作業は継続中であるが、所収史料は「御触書」「牧民金鑑」「御勘定所覚書」「憲教類典」など幕府政治をみる上で基本となる史料のほか、現在の歴史学界ではあまり使用されない史料も収録されており、これらの史料の所在を探し、その史料的性格を確定することが課題となっている。また、江戸時代朝幕関係史については、宮内庁編纂の『天皇皇族実録』のデータベース化を行い、宮内庁書陵部の研究者とも協議の上、綱文の訂正などを進めている。この他、江戸幕府の江戸市政については、東京市時代に編纂された『東京市史稿』の史料学的研究を進めている。外国関係では、現在日本語訳のない『オランダ商館長日記』の17世紀後半の部分の日本語訳を進め、その成果の一端として、研究分担者である松方冬子が「近世後期『長崎口』からの『西洋近代』情報・知識の受容と翻訳」という論文を公表した。現在は、翻訳した史料を江戸時代の編年史研究にどのように活用すべきか検討中である。また、編年史料の調査に関しては、山口県文書館で近世前期の毛利家史料(堅田元慶関係)を撮影し、ポルトガル共和国において、近世初期に日本で作成され、ヨーロッパへ渡った古文書と関係マカオ史料について調査した。
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Research Products
(8 results)