2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本および東アジアのコーポレート・ガバナンスにおける動学的分析
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18203022
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
ウィワッタナカンタン ユパナ Hitotsubashi University, 経済研究所, 准教授 (20361842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
伊藤 秀史 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (80203165)
福田 慎一 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00221531)
小幡 績 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 准教授 (80345438)
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Keywords | 金融論 / コーポレート・ガバナンス |
Research Abstract |
平成19年度は、平成18年度に引き続き、データベースの構築を進めるとともに、各研究トピックスにおいて以下の通りの研究成果をあげた。 1「モニタリングにおける大株主の役割」では、銀行の所有構造と経営パフォーマンスないし貸出行動との関係を実証分析した結果、大株主に銀行と保険会社が入っている企業は、モニタリング効果が働きにくいため、業績が比較的に悪いことがわかった。2「企業の株式構造の発生要因」では、企業グループの支配株主を明らかにし、グループの各企業の株持合いの構造や、各企業が企業ピラミッドのいずれの階層に属しているかを判定した。そして、株式所有構造の変化を動学的に調べる作業に入った。3「経営権委譲の決定要因」では、創業者が経営権を委譲する理論モデルを構築した。そして、ファミリー企業の定義を行い、ファミリー企業と非ファミリー企業とのパフォーマンス比較をおこなった結果、ファミリー企業のほうが非ファミリー企業よりもパフォーマンスがよいことがわかった。4「経営者の政界進出による企業業績への影響」では、平成18年度に引き続き、企業の年次報告書やホームページなどから許認可に関連する情報を収集した。それと並行して、企業経営者が政界に進出する要因分析をおこなった結果、政界進出した企業経営者が自らの企業の経済力を高めるために政府を利用したことがわかった。経済レント獲得のメカニズムの立証では、検証の結果、各施策が閣僚の所有する企業グループに資するものであったことがわかった。5「資金調達における政経癒着の影響」では、企業の資本構成が政治的影響力と債務返済の可能性を反映しているとの基本仮説を検定した結果、政府とコネクションがある企業ほど長期資金にアクセスしやすいことがわかった。
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Research Products
(67 results)