2006 Fiscal Year Annual Research Report
マーケティング競争下におけるロバストデザイン戦略の競争優位性についての実証研究
Project/Area Number |
18203026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 淳蔵 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (50093498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋口 充輝 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (30051692)
栗木 契 神戸大学, 経営学研究科, 助教授 (90294397)
西川 英彦 立命館大学, 経営学部, 助教授 (10411208)
松井 剛 一橋大学, 商学研究科, 助教授 (70323912)
村下 訓 大阪国際大学, 経営情報学部, 助教授 (20411712)
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Keywords | 経営学 / 商学 / マーケティング競争 / ロバストデザイン / 複合ケース研究 / 競争的使用価値 |
Research Abstract |
本研究では、マーケティング競争下におけるデザイン戦略の重要性について、近年注目されつつある「ロバストデザイン」を核概念としつつ、具体的なデザイン戦略に基づく競争優位性の確立と、その背景としてのマーケティング競争のメカニズムについて、歴史的、かつ実証的に明らかにしていくことを目的としている。 一年目となる本年度においては、ほぼ月例で行われた研究会を通じて大きく2つの点が考察され、精緻化された。 一つ目は、ロバストデザイン概念を中心としたデザイン論のマーケティング論からの再構築である。特定環境下において有効な競争戦略となるロバストデザイン戦略は、「ロバスト」であることと「デザイン」であるということの両面からの理解が必要となる。このとき、複数の環境において安定的な評価を得ることができる製品・サービスをロバストであると捉える。同時に、そのロバスト性を与える要件として、デザイン性に注目する。本研究で特に注目されたのは、デザイン性の根幹をなす概念としての素材性、あるいはマテリアル性である。すでに複雑系理論で明らかにされているように、素材性は可能性と潜在性を同時に備える実世界の「厚み」として存在している。この厚みを理論的に捉えることこそが、マーケティング研究におけるデザイン論の意義であり、ひいてはロバストな製品開発を可能にすると考えられた。 もう一つの考察は、競争的使用価値概念を基礎としつつ複合ケース研究によって考察された、デザインを含む価値創造のプロセスである。マーケティング競争下においては、企業間の競争プロセスこそが互いの行動を規定し、同時に新しい価値創造の根拠となる。このことから、マーケティング論における個別方法論の一つとして、単独ケース研究でもなければ複数ケース研究でもない、複合ケース研究の重要性が提示された。
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Research Products
(10 results)