2009 Fiscal Year Annual Research Report
生物の構造・組織の力学的最適性の評価とその構造・材料設計法への応用研究
Project/Area Number |
18206014
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾田 十八 Kanazawa University, 名誉教授 (30019749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 光悦 金沢大学, 機械工学系, 教授 (70110608)
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
北山 哲士 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (90339698)
酒井 忍 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80196039)
金井 亮 金沢工業高等専門学校, 講師 (10436826)
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Keywords | バイオニックデザイン / バイオメカニクス / 最適設計 / 軽量構浩 / 複合材料 / 耐働撃性 / キツツキ / 桐 |
Research Abstract |
今年度は,本研究の最終年度であるため前年度まで実施していた特定の生物(キツツキ,桐等)における力学的特異性を調べ,それを具体的工学問題へ応用する研究と,これまでの幾つかの生物事例分析を通して工学的設計法へ応用し得る普遍的方法論の確立を図る研究を行った. 1. 生物の力学的特異性発現のメカニズムとその応用研究 (1)キツツキのドラミング行動とその構造設計への応用 キツツキがそのドラミング行動で受ける繰返し衝撃負荷に対し,安全であること.一方でそれが木に巣穴を効率的に加工しているメカニズムについて明らかにした.それは負荷が高サイクルであり,一方この負荷とこれを受ける物体の大きさ,材質との関係が重要であることが明らかとなり,これの各種衝撃負荷装置への応用化を検討した. (2)桐材の不燃性のメカニズムとその材料設計への応用 桐材が軽量で不燃性を示す最も重要な理由は,その材料組織中での導管部の形状と分布の仕方にあることが明らかとなった.そこでそのような物理的,機械的特性をシミュレートする方法論をセルオートマトンとFEMで行う方法を開発し,それに基づいて種々の新しい複合材料開発のシミュレーション計算を行った. 2. 生物に学ぶ工学的設計法の確立研究 (1)生物におけるものづくりの特徴抽出 これまでの生物の構造・組織分析より,生物がそれらを取巻く自然環境に適応する能力から,多目的・多機能な構造・組織,省資源・省エネルギ設計等6つの特徴のあることを明らかにした. (2)生物から学ぶ工学設計法 (1)の特徴を踏まえ,結局の所生物におけるものづくりでの基本的なメカニズムとして,進化システムの存在とこの機能発現を支えている細胞機能の重要性を指摘し,それを利用する工学的設計法を提示した.
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Research Products
(6 results)