2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン注入および埋め込み再成長を利用したSiC超接合パワーMOSFETの研究
Project/Area Number |
18206032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木本 恒暢 京都大学, 工学研究科, 教授 (80225078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 淳 京都大学, 工学研究科, 講師 (00293887)
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Keywords | シリコンカーバイド / パワーデバイス / MOSFET / 超接合 / イオン注入 / 埋め込み成長 |
Research Abstract |
次世代パワーデバイス用半導体SiCを用いて、超低損失(超高効率)・高耐圧のパワーデバイスを実現するための基本構造となる多層pn接合からなる超接合構造の作製技術と構造設計に関する研究を推進した。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。 (1)イオン注入および埋め込み成長によるSiC超接合構造の作製 SiCに高エネルギー(500keV-3MeV)でドナーあるいはアクセプタ型不純物のイオン注入を行うことにより、2-3ミクロンの深いpn接合を形成できることを明らかにした。1700℃以上の高温アニールにより、注入不純物の電気的活性化率は100%に近づき、漏れ電流の小さいpn接合を形成できることが分かった。さらに、微細pn接合パターン形成に有効な自己整合プロセス(SiO2マスク)を考案した。また、反応性イオンエッチングによりSiC基板に形成したトレンチ溝をCVD成長により埋め込むことを試み、成長時のC/Si比などの条件を最適化し、反応種の表面マイグレーションを促進することで完全埋め込みに成功した。試験構造として多層pn接合ダイオードを試作し、1kV以上の高耐圧を得た。 (2)数値計算によるSiC超接合構造の構造設計 二次元デバイスシミュレーションによってSiC超接合構造の設計を行った。現実に作製できる構造を仮定した場合、同耐圧のSiCユニポーラ限界より一桁程度オン抵抗を低減できることが判明した。端部での電荷バランスが特に重要であること、および各領域の電荷バランスが理想値からずれた場合に耐圧に及ぼす影響について定量的に明らかにした。また、オン抵抗の低減を目指す上で、ゼロバイアス時におけるpn接合界面の空乏層の影響を考慮する必要があることを示した。
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Research Products
(6 results)