2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NF-KB制御による安全な肝臓移植法の開発
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18209041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤堂 省 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (60136463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70114402)
岸野 吏志 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90373026)
古川 博之 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (70292026)
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助教授 (80256510)
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Keywords | NF-kB / DHMEQ / 免疫抑制 / 臓器保存 / 虚血・再かん流障害 |
Research Abstract |
H18年度研究 1)in vitroにおける免疫抑制効果の検討 マウス免疫担当細胞の応性に対するNF-kB阻害剤DHMEQのin vitroでの効果の確認とその機序を検討した。マウスT細胞をもちいた実験では抗体・抗原刺激による細胞増殖を用量依存性に抑制し、細胞活性に伴う増殖性サイトカイン(IL-2,IFN-γ)産生もDHMEQ投与量に従って抑制した。また、樹状細胞でLPS/TNF-α刺激に伴う細胞成熟および活性化(CD40, CD80, CD86, MHC class IIの発現)を用量依存性に抑制した。(これら樹状細胞は間接的にT細胞の活性・増殖を抑制することが判っている。)また、Kupffer細胞では、LPS刺激によるTNF-α及びIL-6産生を抑制し、マクロファージにおいても貧食能等を抑制することが示された。 2)肝保存におけるNF-kB阻害剤のin vitroにおける効果の検討 肝実質細胞の細胞株および初代培養肝細胞をもちいて、移植時の保存をシュミレーション(低酸素・再酸素化)をおこなった。最初に、肝細胞にたいするNF-kB阻害剤DHMAEQの安全濃度を確認し(5ug/ml以下)、低酸素および再酸素化による細胞障害抑制効果を検討した。肝細胞単独での培養実験では、肝細胞にたいするDHMEQの直接的な効果を若干観察したのみであった。しかしながら、肝細胞とクッパー細胞の共培養による実験では、低酸素・再酸素化状態により引き起こされる肝細胞障害は非常に程度が強いものの、DHMEQにて効果的に抑制された。DHMAEQの作用機序は、クッパー細胞のNF-kB活性を抑えることにより、TNF-alphaなどのサイトカイン分泌を抑えることにより発現する可能性が示唆された。 現在、この結果をもとに、ラット単離肝還流装置をもちいて、臓器レベルでの虚血・再かん流実験をおこない、DHMEQの効果を確認している。
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[Journal Article] Control of allograft rejection by applying a novel NF-kB inhibitor, dehydroxymethylepoxyquinomicin.2006
Author(s)
Shinya Ueki, Kenichiro Yamashita, Takeshi Aoyagi, Sanae Haga, Tomomi Suzuki, Tomoo Itoh, Masahiko Taniguchi, Tsuyoshi Shimamura, Hiroyuki Furukawa, Michitaka Ozaki, Kazuo Umezawa, Satoru Todo
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Journal Title
Transplantation 82・12
Pages: 1720-1727