Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 俊彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10127847)
安孫子 宣光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
山崎 和久 新潟大学, 教育研究院歯学系, 教授 (00182478)
日野 孝宗 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20274102)
成石 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00346446)
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Research Abstract |
平成20年度は,歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価検査が歯周病検査として臨床的に有用であるかどうかを検討することを目的に,前年に引き続き,全国の11大学歯周病関連講座との共同研究(マルチセンター式臨床研究)を行い,最終的な統計学的な解析(ノンパラメトリック解析)を実施した。 【対象】全国の11大学の附属病院を受診した慢性歯周炎患者549名(40歳以上)とした。 【歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価と歯周病臨床パラメータ値の関連性】「BOP陽性率(%)」で分類された3群(25%未満,25%〜50%未満,50%以上)において,Pgに対する血漿IgG抗体価の値は,25%未満の群(N=269)に比較して,25%〜50%未満(N=110),50%以上(N=85)の群において有意に高値を示した。また「4mm以上の歯周ポケットの割合」で分類された3群(10%未満,10%〜3G%未満,30%以上)において,Pgに対する血漿IgG抗体価の値は,「4mm以上の歯周ポケットの割合(%)」が30%以上の群(N=177)において,10%未満の群(N=138),10%〜30%未満の群(N=154)に比較して有意に高値を示した。 【歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価の変化に及ぼす歯周基本治療の影響】「歯周基本治療後」群の血漿IgG抗体価(N=227)は,「初診時」群の値と比較して,4菌株(Aa, Pg, PiおよびEc)すべての抗原において有意に減少した。 【意義,重要性】本研究結果から,歯周病原細菌に対する血漿IgG抗体価の測定は,歯周病病態を評価し得る有効な検査システムであることが分かった。昨今,歯周医学Periodontal Medicineと称される領域において新たな知見の蓄積が期待されている。今後,関連医科との連携などの様々な局面に本検査法を活用していくことで,国民の全身の健康維持に貢献できる可能性があるので,本研究の発展は重要であると考える。
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