2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ・イスラーム圏における白色系民族と黒色系民族の紛争と共存の宗教人類学研究
Project/Area Number |
18251006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嶋田 義仁 Nagoya University, 文学研究科, 教授 (20170954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂野 幸稔 熊本県立大学, 文学部, 教授 (60187797)
鷹木 恵子 桜美林大学, 国際学部, 教授 (60211330)
今村 薫 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (40288444)
菊地 滋夫 明星大学, 人文学部, 准教授 (60290988)
縄田 浩志 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 講師 (30397848)
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Keywords | イスラーム圏アフリカ / 紛争 / 共存 / スワヒリ / 黒色系民族 / 白色系民族 / ダルフール / 宗教人類学 |
Research Abstract |
イスラーム圏アフリカにおける白色系民族と黒色系民族の紛争と共存のメカニズムを総合的に地域比較するなかで、宗教と民族の関係を宗教人類学的に考察することが本研究の全体構想である。 本年は特にダルフール紛争の現地調査をめざしたが、スーダン、チャドの情勢悪化によって現地調査はおこなえなかった。しかしこの他の点では研究は予定どおりすすみ、西アフリカではモロッコ、セナガル、マリ、ギニアの調査がおこなわれ、東アフリカでは、アラビア湾からジンバブウェーに至る地域の調査がおこなわれた。中央サハラに勢力をはったオスマン・トルコの領域、チュニジア、ギリシャ、トルコの調査もなしえた。このほか、タンザニアとフランス人研究者を招いてのスワヒリをめぐる国際ワークショップ、フランス人研究者との西アフリカ・イスラーム化をめぐる国際ワークショップもおこった。 成果は次の3巻の『イスラーム圏アフリカ論集』にまとめた。II.嶋田義仁『レイ・ブーバ王国研究』150頁。IIIイスラーム圏アフリカ研究1140頁.IV Djingui Mamoudou, 'Le pouvoir, le savoir et la richesse'pp 300. IIは嶋田のこれまでの論文を所収。I巻の日野舜也『スワヒリ社会の研究』とともに、わが国のイスラーム圏アフリカ研究の基本整備をはかった。IIIは、外国人研究協力者の論文5本を含む15本の論文を所収。IVは、ガウンデレ大学助教授Djingui博士のアフリカ・イスラーム社会研究である。 本研究メンバーの、鷹木恵子と砂野幸稔の博士論文がそれぞれ、『マイクロクレジットの文化入類学』世界思想社、『ポストコロニアル国家と言語-フランス語公用語国セネガルの言語と社会』三元社として出版された。前著はチュニジア、モーリタニアの事例に依拠した、わが国初のマイクロクレジット研究。後著は、イスラーム文化の伝統のy強いセネガルでのフランス語使用問題。このほか、研究協力者の中村亮も、博士論文『旧海洋イスラーム王国キルワ島にみるスワヒリ海村の構造』(名古屋大学)を完成させた。
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Research Products
(46 results)