2006 Fiscal Year Annual Research Report
計画都市テオティワカンの発祥とモニュメント:月のピラミッド発掘資料の分析と解釈
Project/Area Number |
18251010
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
杉山 三郎 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (40315867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 悦夫 富山国際大学, 国際教養学部, 助教授 (40235320)
植田 信太郎 東京大学, 理学系研究科, 教授 (20143357)
奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (20204125)
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Keywords | 新大陸考古学 / メソアメリカ / テオティワカン / 月のピラミッド / 月の広場 / 古代計画都市 / 古代モニュメント / 生贅埋葬 |
Research Abstract |
2006年度夏の現地調査は7月末から始めた。研究分担者がそれぞれの役割に応じた滞在期間中、遺物の整理・分析、DNAサンプルの収集、また現地測量調査を行った。杉山は遺物分析のうち、特に「月のピラミッド」内部の墓5基から出土したヒスイ・黒曜石・黄鉄鉱・貝・土器製品等の副葬品の記録と解釈を行い、同時にデータバンクを創設するための写真撮影や資料の収集を学生や現地技術者とともに行なった。佐藤が全ての土器分析を、37体の人骨はカナダ・フランスの形質人類学者、77体以上の生賛動物骨はメキシコ・日本の生物学者、その他の副葬品はそれぞれの分野の国際的な研究者を中心にテオティワカン研究センターで行った。植田他、共同研究者3名は、9月にメキシコでDNAの古人骨サンプル収集を行った。またテオティワカン遺跡公園内では、8月から新しく購入したトータルステーションを加えて2チームを編成、夏から連続して2007年3月まで測量を続けた。現在「太陽のピラミッド」複合体と、さらに「死者の大通り」に面した建造物群を「月のピラミッド」から約1.2kmにわたって測量が完了している。詳細な3次元デジタルファイル(AutoCad)は、計画都市やモニュメント建築の分析・解釈に使われ、都市構造に含まれた古代人の世界観や建造物の機能の解釈など、その成果の発表も始めた。昨年度後半には調査団の報告書の出版準備にもとりかかり、「月の広場」周辺の発掘、「月のピラミッド」内部のトンネル発掘、その内部で発見した7期の改築・増築の建築データと、生蟄埋葬体5基の資料を出版用に準備し始め、発掘担当者や遺物分析責任者が分担執筆の準備中である。2008年には詳細なスペイン語の発掘報告書をメキシコ政府の国立人類学歴史学研究所(INAH)から、また英語の編集本をニューメキシコ大学出版社から出版する予定である。遺物は国外持ち出しが法律で禁じられているため今後もセンターで保管されているが、そのデータは目本に持ち帰り、愛知県立大学のサーバー(日本語)とアリゾナ州立大学のサーバー(英語とスペイン語)にてデータバンクを立ち上げる予定で、そのストラクチャー作りを杉山・奥田が進めている。
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Research Products
(6 results)