2008 Fiscal Year Annual Research Report
太古代-原生代の海洋底断面復元プロジェクト:海底熱水系・生物生息場変遷史を解く
Project/Area Number |
18253006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清川 昌一 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 講師 (50335999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10272098)
池原 実 高知大学, 海洋コアセンター, 准教授 (90335919)
北島 富美雄 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (40274427)
奈良岡 浩 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20198386)
山口 耕生 九州大学, 海洋研究開発機構, 研究員 (00359209)
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Keywords | 太古代 / 原生代 / 海底熱水系 / グリーンストーン帯 / バクテリア / 黒色頁岩・チャート / ピルバラ / 縞状鉄鉱層 |
Research Abstract |
2008年度は以下の調査1)オーストラリア32億年前ピルバラDXCL掘削および掘削後の環境整備を行った.特に,それまでに取ってきたサンプルについて現在それぞれで得たデータの処理・解析中である. 1)DXCL掘削について:合計200mの掘削を行い,a)黒色頁岩,b)chert-pylite laminaを堀抜いた.これは今までに報告のない新鮮で連続したサンプルであり,当初の予測であるデキソンアイランド層の黒色頁岩-縞状鉄鉱層地層層序のトップの縞状鉄鉱層は実は黄鉄鉱であることが明らかになった.これは鉄分の沈殿が嫌気性の海底で起こり,硫黄同位体のばらつきによりバクテリアの活動が示唆される。 2)掘削地域の陸上詳細マッピング:陸上の地層とコアサンプルとの比較により,断面図を作成.陸上に露出する断層系との対比を行い,風化帯と断層帯との関連を明らかにした. 3)硫黄・炭素の同位体測定:陸上露出岩石よりも,炭素同位体の値が一定している.硫黄に関しては,黄鉄鉱の種類が数種類有り,それぞれの成因を確かめる必要がある.バルクサンプルではMIFのシグナルは見られない. 4)類似したテクトニクス場での海底堆積物は,いずれも黒色頁岩(チャート)からなり,当時の海底における嫌気性場が記録されている.しかし,熱水活動を指示する脈の痕跡などは原生代の地層には見られず,太古代の海底での海底熱水活動の広がり・分布は当時の海底の異常さを示す,重要な要素であることが明らかになってきた. 5)3月に国際シンポジウム“プレカンブリアンワールド"を行い,8ヵ国20人の外国人を招き,参加者80人の会議を北九州および九州大学西新プラザにて行った.前後して四万十帯巡検,九州カルデラ巡り巡検を行い太古代の地球との関連性を議論した.
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Research Products
(4 results)