Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越村 俊一 東北大学, 工学系研究科, 准教授 (50360847)
高島 正典 富士常葉大学, 環境学部, 准教授 (60424909)
近藤 伸也 東京大学, 人と防災未来センター, 主任研究員 (50426532)
村尾 修 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (70292753)
庄司 学 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究, 講師 (60282836)
|
Research Abstract |
本研究は,津波災害経験の乏しい発展途上国を主な対象として,効果的な津波防災対策を実施する際に必要な総合的な津波防災戦略のモデルを提案するとともに,いくつかの発展途上国への具体的な導入考えた場合の課題を整理した上で,提案する戦略モデルの有効性を検証することである。提案する津波警報システムの特色は,1)シンプルかつ安価なシステムで,途上国でも問題なくメンテナンスできる点,2)平時利用を主目的とし,日常的に沿岸地域の人々に有益な情報を提供するとともに,拡張機能として津波発生時には津波警報システムとして機能する点,3)公的機関ではなく,国際的なネットワークを有するリゾートホテルが主体となって設置・運用を行う点,である。 本年度は,海洋観測ニーズを分析するために,タイ・プーケットでインタビュー調査を実施した。対象者は,海洋研究者,ダイビングショップ経営者,漁業者,Tourist Associationさらに環境保護関係者である。その結果,日常的なニーズがあることが分かり,導入することでさらにニーズが増える可能性を示すことができた。また,アンケート調査からも,リゾートホテルには海洋観測情報を日常的に利用しているところが半数以上あり,海洋観測情報のニーズが一定以上あることが分かった。 そして,多目的海洋観測ブイを開発し,その運用実験を行った。実験サイトとしては,神奈川県平塚市沖にある東京大学平塚総合海洋実験場の平塚沖総合実験タワーの西側海域とした。ブイの設置に当たっては,地元漁業協同組合の協力を得た。実験の結果,波高をモニタリングすることは可能であり,津波をほぼリアルタイムに探知できることを確認できた。本研究で提案する多目的海洋観測ブイの設置を地元漁業者の持つ技術・設備の範囲内で実施できることも確認できた。
|