2008 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ大陸における疾患感受性を規定するウシ主要組織適合遺伝子の検出技術の実用化
Project/Area Number |
18255013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
間 陽子 The Institute of Physical and Chemical Research, 分子ウイルス学特別研究ユニット, ユニットリーダー (50182994)
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Keywords | ウシMHC(BoLA) / アメリカ大陸 / BoLAクラスII対立遺伝子 / PCR-SBT法 / 牛白血病 / 牛白血病ウイルス(BLV) / 疾患感受性 / 多型性 |
Research Abstract |
乳牛と肉牛の生産では世界の25%〜40%を占めるアメリカ大陸の主要な畜産国を対照にして、牛白血病の発症に対して抵抗性と感受性を規定するBoLAクラスII対立遺伝子をPCR-SBTを用いて同定する事が目的である。 本年度は、南米アメリカ大陸の、ペルー・ボリビアおよびパラグアイのウシ血液を採血し、DNAの収集を行った。ペルーでは乳用ホルスタイン(105頭)、高地のホルスタイン種(29頭)およびペルー北部、アマゾン地域の肉用Nelole種およびBrahman種牛(195頭)、ボリビアでは乳用ホルスタイン(2牧場159頭)、肉用Gir種およびNerole種(213頭)、乳肉兼用種(4牧場113頭)および種雄牛(26頭)、パラグアイでは乳用ホルスタイン(4牧場、99頭)を採血した。さらに、各国におけるBLV感染率をBLVプロウイルスのPCRによる検出法で調査したところ、パラグアイは69.7%、ボリビアは18.8%〜67.0%、ペルーでは低地ホルスタイン種58.7%、高地ホルスタイン種7.1%、アマゾン地域肉用種42%であった。 一方、従来のPCR-SBT法を改良し、タイピングの速度およびコストを大幅に減少させた。この方法を用いて、現在各国から収集したウシサンプルのBoLA-DRB3およびDQA1のタイピングを行っている。これらの結果を基に、BLVの感染率とBoLA-DRB3およびDQA1の遺伝子頻度との相関性を解析し、続いて感受性アリルおよび抵抗性アリルの検出法を開発する予定である。また、収集したゲノムDNAよりBLVの感染細胞数を定量可能なリアルタイムPCRの構築に成功した。この方法を用いて、抵抗性および感受性アリルをさらに多角的に解析する事が可能となった。
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Research Products
(16 results)