2006 Fiscal Year Annual Research Report
新旧両大陸のリーシュマニア症とその伝播および病態生理に関する研究
Project/Area Number |
18256004
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
橋口 義久 高知大学, 医学部, 教授 (10037385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上里 博 琉球大学, 医学部, 教授 (60160157)
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 教授 (00117384)
加藤 大智 山口大学, 農学部, 助教授 (00346579)
是永 正敬 高知大学, 医学部, 助教授 (00128274)
マヌエル カルボピーニャ 高知大学, 医学部, 助手 (20346711)
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Keywords | リーシュマニア症 / エクアドル / アルゼンチン / パキスタン / 伝播疫学 / サシチョウバエ / アマスチゴート抗原 / ONO-4007 |
Research Abstract |
新旧両大陸におけるリーシュマニア症の伝播疫学並びに病態生理を解明するため、新大陸ではエクアドル国とアルゼンチン国を、また旧大陸ではパキスタン国を調査地として選定した。本研究期間においては、患者、媒介者および保虫動物を対象とした種々の疫学調査を実施するとともに、流行地で得られた検体や原虫株を用いて種々の実験並びに原虫の分子生物学的解析を加えた。おもな結果は以下のとおりである。 1.アルゼンチン国北部で流行している皮膚及び粘膜皮膚リーシュマニア症の病原虫はLeishmania (Viannia) braziliensisが主であり、ほかにL.(V.) guyanensisおよびL.(V.) panamensisも認められた。 2.エクアドル国の流行地については、地域ごとの原虫種と病型の特徴をマッピングし、同国リーシュマニア症の疫学的特性を明らかにした。また、アンデス高地の流行地で採取した媒介サシチョウバエ(Lutzomyia属)について、PCR法やCytochrome bによる解析が有効であることを明らかにした。 3.パキスタン国では流行地の患者由来原虫株について多座位酵素解析を行なったところ、低地ではLeishmania (Leishmania) major、高地ではL.(L.) tropicaが病原虫であることが判明した。なお、これらの流行地でサシチョウバエ(Phlebotomus属)を採取、解剖したが自然感染によるLeishmania原虫を見出すことはできなかった。一方、1個体のサシチョウバエから不明鞭毛虫類を検出し、解析中である。 4.BALB/cマウスモデルを用いてLeishmaniaアマスチゴート抗原にONO-4007をアジュバントとしてワクチン効果を検討したところ、興味ある成績が得られた。
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Research Products
(11 results)