2009 Fiscal Year Annual Research Report
新旧両大陸のリーシュマニア症とその伝播および病態生理に関する研究
Project/Area Number |
18256004
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
橋口 義久 Kochi University, 名誉教授 (10037385)
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Keywords | 国際研究者交流 / エクアドル:ペルー:パキスタン:バングラデシュ / リーシュマニア症 / 伝播疫学 / 病態生理 / サシチョウバエ / リーシュマニア原虫 / LAMP法 |
Research Abstract |
研究目的:新旧両大陸リーシュマニア症(「リ症」)の伝播・疫学及び病態生理を解明し、本症の医学・生物学の発展と予防対策に役立てる。研究実施計画:平成21年度は新大陸では主にエクアドル及びペルーの患者・媒介サシチョウバエ及び保虫動物等について分子疫学・生物学的手法を用いて継続調査を実施した。また、旧大陸ではパキスタン及びバングラデシュの患者検体を用いて分子生物学的・免疫学的解析を行なった。研究成果の主な内容:1、エクアドル及びペルーでの研究では各地由来のFTAカード採取検体を解析し、病型と原虫種の関係を検討した。2、エクアドル産サシチョウバエ14種のrRNA ITS1及びITS2 sequenceを決定し、「リ症」伝播との関係を考察した。3、一連の研究成果に基づき「リ症」媒介者研究のための分子疫学的手法を提唱した。4、パキスタンSindh県の流行は主にL.(L.)majorに起因する。5、パキスタン原虫株のCyb gene sequenceに基づきLeishmania属の系統分類を行なった。6、L.(L.)major媒介サシチョウバエPh. papatasiのmicrosatellite variationに基づき、集団遺伝学的・地理学的解析を行なった。7、パキスタン産Ph. kazeruniでTrypanosoma sp.の寄生を認め、「リ症」疫学調査時の注意を喚起した。8、Sindh県Larkana地域「リ症」の現状について論文発表した。9、バングラデシュの内臓「リ症」患者検体を用い、LAMP法の有用性を感受性、特異性及び迅速性の面から比較検討した。研究の意義及び重要性:上記1~3は新大陸「リ症」の医学生物学の理解と解明に貢献すると同時に、本症の対策やサーベイランス上も重要な新知見である。また、4~9は旧大陸「リ症」の伝播機構や病態生理の理解と解明、更には早期診断・治療に向けた対策を講ずる上で重要であり、いずれの成果もその意義は大きい。
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Research Products
(13 results)