2006 Fiscal Year Annual Research Report
影を用いた場の創出的メディア表現とコミュニティ・コミュニケーションへの活用
Project/Area Number |
18300044
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三輪 敬之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10103615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上杉 繁 先端科学健康医療融合研究機構, 客員講師(専任扱い) (80350461)
石引 力 WABOT-HOUSE研究所, 客員講師(専任扱い) (80367036)
大崎 章弘 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70386639)
板井 志郎 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00398934)
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Keywords | ヒューマンインターフェイス / コミュニケーション / 影 / 身体性 / ワークショップ |
Research Abstract |
地理的に離れた場所にいる人々が一緒になって即興的に会話をしたり,体験を共有したりするためには,出会いの場が各人の間で共創出されることが必要になるが,この条件を現行の通信システムは原理的に満足していない.そこで我々は,存在を伝える創出的なメディアとして身体の影を活用することを構想し,影の暗在的な働きに着目した場の表現手法や身体性の拡張手法を研究することによって,出会いの場づくりを支援できる共存在のコミュニケーションシステム(影システム)や,場のネットワーク拠点としての「共存在の家」の設計原理を明らかにすることを目指す.本年度は交付申請書に記載した計画に従い研究を実施し,以下の成果を得た.(1)集団における各人の存在位置と身体的な動きの同時計測装置の開発に成功した.またこれを使って,過去の現場の出来事を当事者に替わって追体験できる「場のアーカイブ」について検討した.(2)参加者の存在を二つの身体の影を使って影システムに表現する手法を考案し,これが共存在感や身体的コヒーレンスを強め合うための新しい空間表現として有効であることを実験的に確認した.(3)2箇所間の通信を3箇所間に拡張するための影の取得,投影,通信ソフトを製作することにより,3箇所の現場をほぼ同時に統合することに成功し,出会いの場を多様にコーディネーションできる見通しを得た.(4)参加者の立ち位置と動きの変化に対応した音声を参加者の影とともに双方向で送りあうために,スピーカアレイを用いた簡易型の複数音源定位システムを考案,製作した.(5)以上の(1)-(4)を影システムに組み込み,各種の影表現やコミュニケーション実験を可能にした.その他に,基礎的な研究として,身体の影の働きを時空的な間(ま)の生成や道具による身体イメージの拡張と関連づけて実験的に検討し,場の創出的メディアとしての影の存在論的二重性について考察した.
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Research Products
(9 results)