2006 Fiscal Year Annual Research Report
3次元医用画像の多重解像度局所構造解析に基づく線状・面状構造の精密復元と高次処理
Project/Area Number |
18300059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉伸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70243219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 将彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00380634)
田村 進一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30029540)
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70304061)
田中 壽 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40294087)
上甲 剛 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20263270)
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Keywords | 医用画像 / 厚み計測 / 関節軟骨 / MRI / CT / 点広がり関数 / 逆問題 / 近接 |
Research Abstract |
人体内部においては、多くの場合、線状・面状構造は孤立して存在していない。具体的に、股関節軟骨を対象とする場合には、薄面状構造である軟骨が2つ近接している。線状構造である血管も接近して存在してる場合が多い。このような状況においては、従来開発された孤立した状態を仮定した復元手法では、十分な精度は達成できない。本研究では、CTおよびMRIからの薄面形状復元において、近接する2薄面体をCT、MRIで撮像する過程を、これら2つの薄面体の厚み、および、2薄面体間の間隙幅を変数とする数式で表現し、CT・MRIの撮像過程の数理モデルと組み合わせ、これら未知変数を推定する逆問題として定式化した。実際の状況に基づき、CTの点広がり関数は、幅未知のガウス関数でモデリングし、MRIの点広がり関数は、幅既知SINC関数でモデリングした。画像から得られた濃淡値プロファイルが、数式により導かれるプロファイルに一致するという制約条件を用いた。この逆問題は非線形最小2乗問題として定式化されるが、極小解に陥ることなく高精度に解を得る方法として、まず、各変数に対して、一定間隔で全数探索を行い、得れらた最小解をLevenberg-Marquad法で精密化する方法を適用した。実験では、アクリル板で作成した近接薄面体ファントムをCTおよびMR撮影を行い、それらのデータに対して提案手法を適用し、安定かつ高精度に薄面物体幅の推定が行えることを実証した。さらに、実際の人体の股関節軟骨についても、実験を行い、その有効性が示唆された。
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