2007 Fiscal Year Annual Research Report
初期聴覚系における寸法・形状知覚理論の検証と応用に関する研究
Project/Area Number |
18300060
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
入野 俊夫 Wakayama University, システム工学部, 教授 (20346331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
西村 竜一 和歌山大学, システム工学部, 助教 (00379611)
高橋 徹 和歌山大学, システム工学部, 研究員 (30419494)
津崎 実 京都市立芸術大学, 音楽学部, 助教授 (60155356)
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Keywords | 聴覚計算理論 / スケール理論 / 高品質音声分析合成系STRAIGHT / 音声信号処理 / 聴覚心理実験 / 機能的核磁気共鳴像(fMRI) / 神経科学 |
Research Abstract |
1.人間の寸法・形状知覚に関して、単語音声の寸法弁別閾を求める心理実験を実施した。発声者の声道寸法を等価的に伸縮させ、音源も調整して有声と無声の変形単語音声を作成した。また、実験の練習セッションも改善しデータの安定化を図った。この結果、有声・無声にかかわらず、通常発声範囲を逸脱しても寸法知覚の精度が、単音節系列を用いた場合と同程度であることがわかった。これは寸法・形状知覚理論を支持する。寸法変調の検出課題についても検討を進めた。レター1件、編集本1件、国際会議2件、国内発表6件、招待講演(国際会議)2件。 2.寸法・形状知覚の脳内部位特定にも制約条件を与える単音節の処理部位について、日英両国で得られたfMRI実験画像を解析した。母音(V)-子音(C)からなる日本語に無い音節条件で、英国人よりも日本人の脳内活動部位が広いことがわかった。日本人にとっては一音節を扱う以上の処理が必要になったと推測できるが、確証を得るための検討を開始した。国内発表2件。 3.難聴者の聴覚フィルタ特性の把握は不可欠となりつつある。従来法では測定時間がかかり、特に高齢者にとっては負担が大きすぎた。測定点削減のため、圧縮型ガンマチャープ聴覚フィルタ(cGC)の利点を活かし、ノッチ雑音法と順向性マスキング法の両データに同時適合させることを提案した。また、聴覚フィルタの音響測定への応用を進めた。国内発表3件。 4.有効な音声聴覚心理実験のためには高音質な合成音が不可欠である。そのため音声分析合成法STRAIGHTに関して、高信頼度で高速処理可能なTANDEM法という革新的な手法を開発した。さらに自由度の高い音声モーフィング技術や、安定な基本周波数推定法の開発を進めた。また、難聴者の音声の聞こえの特性を探るため、劣化音声をSTRAIGHTを用いて合成して健聴者で聴取実験を行い、難聴者の知覚特性との定量的な対比を試みた。論文3件,国際会議4件,国内発表20件。
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Research Products
(46 results)