2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国近世白話文学の電子化状況情報及びコーパスの共有基盤の構築に関わる基礎的研究
Project/Area Number |
18300082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笠井 直美 Nagoya University, 大学院・国際開発研究科, 准教授 (90251389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 望 金沢大学, 文学部, 准教授 (90293331)
福田 ムフタル 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 准教授 (20283517)
廣瀬 玲子 専修大学, 文学部, 教授 (90238410)
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Keywords | コーパス / 戲曲 / 白話小説 / 中国文学 |
Research Abstract |
1.学術利用に適した中国近世白話文学コーパスを構築する為の基礎的研究 (1)コーパスの設計・校訂ルール等に関する検討:昨年度までの検討結果を踏まえ、引き続き異体字表(特に電子版『四庫全書』『四部叢刊』で採用されているフォントのうち、Private Use Area部分の変換用テーブル)の作成を進めた。また、メタデータ、木版本テキストに挿入されている批評などの情報付与の形式・方法についての初歩的な検討を行った。さらに、電子テキスト・コーパスの活用に関しても検討を行った。研究代表者の笠井は他言語のコーパス構築状況と研究への応用を参考にしつつ、電子コーパスを活用して行いうる文学・語学研究上の各種のアプローチ法、中国古典籍のコーパス・データベースを構築・活用するに際し、障害となる構造的な問題点等につき、整理し考察を進めた。また、研究分担者の上田望氏は電子テキストを活用した計量的アプローチで文体論に新たな視点を開くことが可能であることを示した。 (2)電子テキストの構築:昨年度より引き続き、明代鈔本・木版本の戯曲・白話小説17種21バージョンのOCR済み「たたき台」テキストファイルが完成し、2種2バージョンを除き公開、うち、5種6バージョンにつき第一次校訂済みテキストを完成・公開した。また、3種4バージョンにつき校訂が進行中で、完成後に本研究で構築したサーバに公開予定である。 2.中国近世白話文学の電子化状況に関する情報の集積・共有 前年度までのデータに、中国古典文学研究では基本資料である、「電子テキスト・排印本の底本となった・或いは関係がある(可能性のある)木版本・鈔本等」との関連情報を、大塚秀高『増補中国通俗小説書目』の番号の追加という形で補充した。
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