2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次元小標本におけるデータ解析の数理統計学的基礎とその応用
Project/Area Number |
18300092
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青嶋 誠 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90246679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤平 昌文 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70017424)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40375374)
田崎 博之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (30179684)
川村 一宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40204771)
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Keywords | 高次元小標本 / 次元推定 / 次元縮約 / 次元の呪い / 高次元漸近理論 / マイクロアレイデータ / 多変量データ解析 / 標本数 |
Research Abstract |
本年度は、高次元小標本のデータ空間に内在する固有空間の次元推定に取り組んだ。低次元空間への次元縮約には、様々な探索的データ解析法が知られている。種種の解析法を使う上で鍵となるのは、固有空間の次元推定である。本研究は、これに理論的方法論を与えるもので意義がある。モデリングにかかる計算コストの大幅な削減にも繋がるので、実際上の重要性もある。ここ10年の先行研究で提案されてきた次元推定は、高次元小標本特有の幾何学的構造を意識したものではなく、次元の呪いの影響から、信頼性が十分であるとは言い難い。本研究では、高次元小標本においてデータ空間が決定論的ともいうべき幾何学的構造を有することに着目し、この構造を維持する枠組みで、標本固有値の関数による次元推定法を提案した。データの次元に対して漸近的に、有効な推定を与えることを示した。リスク評価に用いた漸近理論は、昨年度に得られた研究成果を発展させたものに基づいている。これらについて、青嶋は平成19年7月に米国で開催されたIWSM2007国際学会の企画セッションで招待講演を行った。青嶋は同年8月にポルトガルで開催された第56回国際統計学会でも招待講演を行った。平成20年1月には、広島大学でシンポジウムを共催し、関係する研究者や周辺領域の研究者と討論を行った。同年3月には、京都大学数理解析研究所で行われた研究集会で、遺伝子数7千、標本数70の白血病患者のマイクロアレイデータについて、提案する固有次元の推定法が、当該領域の先行研究と概ね一致する推定値を与えることを報告した。
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