2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次元小標本におけるデータ解析の数理統計学的基礎とその応用
Project/Area Number |
18300092
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青嶋 誠 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90246679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤平 昌文 筑波大学, 副学長 (70017424)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40375374)
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Keywords | 高次元小標本 / パターン認識 / 判別分析 / クラスター分析 / モデル選択基準 / ダイバージェンス / 異常値 / 混合正規分布 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの本研究課題で得られた理論と方法論に基づいて、パターン認識の諸問題に取り組んだ。高次元小標本における判別分析とクラスター分析を考え、判別分析に有効な方法論としてノイズ掃き出し法を提唱し、クラスター分析に有効な方法論としてクロスデータ行列法を提唱した。それらの方法論の性能を理論的に証明し、計算時間においても極めて実用的であることを実験によって検証した。さらに、医学データへの適用を行った。また、高次元小標本においてモデル選択を行うための各種情報量を考えた。大標本漸近理論に裏打ちされた最尤法の枠組を外して多様なモデルを評価するために、カルバック・ライブラー情報量に替わるU-ダイバージェンスを考え、異常値に対する頑健性を考慮してβ-ダイバージェンスを扱った。最大β尤度推定に基づくモデル構築を考え、予測に関するバイアス補正を行って、新しいモテル選択基準を提案した。高次元混合正規分布モデルを考え、最大β尤度推定のためのアルゴリズムを開発して、それに基づくクラスタリングを提案した。AIC、TICと比較して性能を実験で検証した。推定量の一致性や漸近効率も考察した。12月には、研究課題に関するシンポジウムを筑波大学で開催した。関係する研究者や周辺領域の研究看に講演をお願いして、理論と応用分野の双方の研究者が多数集まり、活発な討論と意見交換を行った。本研究課題の最終年度に相応しい、有意義な情報を社会に発信する場となった。
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