2007 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス前性タンパク質のリン酸化によるシナプスおよび脳機能の制御機構の解明
Project/Area Number |
18300127
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 Kitasato University, 医学部, 教授 (10318826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 誠 北里大学, 医学部, 講師 (30398581)
東 貞宏 北里大学, 医学部, 助教授 (80348507)
片岡 正和 信州大学, 工学部, 准教授 (90332676)
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Keywords | SNAP-25 / 神経伝達物質 / 開口放出 / プロテインキナーゼC / タンパク質リン酸化 / ノックインマウス / 情動異常 / ストレス |
Research Abstract |
SNAP-25にはスブフィジングによって生じたSNAP-25aおよびSNAP-25bの2種類のアイソフォームが存在する。これらのアイソフォームの脳内発現やリン酸化による機能調節の機構の違いを明らかにするため特異抗体を作成し解析を行った。リコンビナントタンパク質を用いて特異性を調べたところ、得られた抗体は他のアイソフォームとは互いに交差製を示さないことが確認された。リコンビナントタンパク質を基準として、成体マウス海馬での発現量を定量的イムノブロット法で調べたところ、SNAP-25bの発現量はSNAP-25aや、様々な組織に普遍的に発現するSNAP-23の10倍であることが明らかとなった。細胞分画法で調べると、SNAP-25bやSNAP-23の膜分画に多く含まれるのに対し、SNAP-25aのかなりの割合が、可溶性分画であるLS2分画に来ることが明らかとなった。PC12細胞を用いて細胞内局在を調べたところ、SNAP-25bは細胞膜に局在するのに対し、SNAP-23やSNAP-25aは細胞質に存在することが明らかとなった。以上のことからSNAP-25の各アイソフォームは脳内で異なる局在を示し、異なる機能を担っていることが明らかとなった。 SNAP-25のノックインマウスのストレス脆弱性の機構を調べるため、拘束ストレスを加べたところ、野生型との間に顕著な差が見られないことが明らかとなった。さらに海馬のグルココルチコイドレセプターの発現量をイムノプロット解析で調べたが、やはり顕著な差は認められなかった。以上のことから、ストレス脆弱性の原因はHPA軸の上流にあることが推察された。
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