2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300131
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒見 坦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30009633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 耕平 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40332556)
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Keywords | synapse / synaptic vesicles / endocytosis / La3+ / synaptic transmission |
Research Abstract |
本年度(平成18年4月1日-19年3月31日)、神経終末におけるシナプス小胞のリサイクル機構に関して、以下の2点を明らかにした。 1)ショウジョウバエ運動神経終末には、二つのエンドサイトシス経路が存在し、二つの経路が協調的に働くことによって、高頻度のシナプス信号伝達を維持している。 カルシウム拮抗薬、PLTXIIとLa3+は、神経終末での蛍光色素FM1-43の取り込(エンドサイトシス)を抑制する。第一のエンドサイトシス経路は、PLTXIIで抑制され、active-zone(小胞のエキソサイトシス部位)で起こり、ダイナミン依存的であるが、クラスリンは形成されない。プロテインキナーゼ括性化で、抑制され、不活性化で増強される。第二の経路は、La3+で抑制され、non-active zoneでおこり、ダイナミン依存的、クラスリンが形成される。プロテインキナーゼ活性化で増強、不活性化で抑制される。高頻度刺激の初期では、第一のエンドサイトシス経路が主に働き、後期では、両方のエンドサイトシス経路が働く。 2)ショウジョウバエ個体の活動が高まった後、シナプス信号伝達の増強が観察された。その増強ステップには、二つの段階があることが発見された。第一の段階では、シナプス単位の増大がみられる。これは、Reserve poolから大きい単位のシナプス小胞が放出されるためである。第二の段階では、小胞単位は、通常な大きさにもどるが、放出される小胞の数が増加する。このことは、研究代表者が、細胞レベルで明らかにした(Kuromi and Kidokoro,いずれもNeuron,1998,2000,2003)シナプス小胞のReserve poolの役割を個体レベルで確認した最初の知見である。
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Research Products
(2 results)