2006 Fiscal Year Annual Research Report
スマートバイオマテリアルとしての生体分子応答性ゲルの創製とその応用
Project/Area Number |
18300166
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)
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Keywords | ゲル / 刺激応答性ゲル / 生体分子複合体 / バイオコンジュゲーション / 分子認識 / 分子インプリント法 / DNA / 抗原抗体結合 |
Research Abstract |
本研究では,ドラッグデリバリーシステム(DDS)や医療診断センサーに利用できる新規なスマートバイオマテリアルとして,様々なシグナル生体分子に応答する生体分子応答性ゲルの合成を試みた。本年度は,主に二種類の方法でゲル内に生体分子を導入したバイオコンジュゲートゲルの合成を行った。まず,複合体形成させた状態で生体分子をゲルネットワーク内に組織化することにより,生体分子を認識して応答する生体分子架橋ゲル(a)の合成を試みた。また,生体分子をリガンドとした生体分子インプリント法を提案し,それらのリガンド生体分子を組織的に配置することによって,厳密に生体分子を認識して構造変化する生体分子インプリントゲル(b)を合成した。本年度合成を試みたゲルについて以下にまとめる。 (a)生体分子架橋ゲル 二本鎖DNAを形成させた状態のビニル基導入DNAと親水性モノマーとを共重合することによって二本鎖DNA架橋ゲルの合成を行った。標的DNAの溶解した緩衝液中で二本鎖DNA架橋ゲルは膨潤し,DNA応答性を示すことが明らかとなった。 (b)生体分子インプリントゲル 標的DNAと二本鎖を形成することができるDNAをリガンドとして用いた生体分子インプリント法によって,DNAインプリントゲルの合成を行った。DNAインプリントゲルは標的DNAを認識して収縮するDNA応答性を示すことが明らかとなった。さらに,内分泌攪乱化学物質の疑いのあるビスフェノールA(BPA)に対するリガンドとしてシクロデキストリンを導入したBPAインプリントゲルの認識応答挙動についても検討し,BPAとその類似体を認識して異なる収縮挙動を示すことがわかった。
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