2007 Fiscal Year Annual Research Report
精密血流画像解析法の新規開発による動・門脈血流の分離定量評価と肝発癌研究への応用
Project/Area Number |
18300176
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
工藤 正俊 Kinki University, 医学部, 教授 (10298953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 浩 近畿大学, 医学部, 教授 (90111294)
村上 卓道 近畿大学, 医学部, 教授 (20252653)
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Keywords | 肝細胞癌 / 前癌病変 / 肝腫瘍 / 純動脈相イメージング / Pure arterial phase imaging / 腺腫様過形成 / Levovist / Sonazoid |
Research Abstract |
造影ハーモニック法を用いることにより血管構築あるいは血流動態からみた肝腫瘍の鑑別診断が可能となってきた。すなわち肝細胞癌では周囲から離鞠状に流入する腫瘍血管および腫瘍濃染が明瞭に得られ、また転移性肝癌では腫瘍の辺縁のみに血流を認めること、ならびに肝血管腫では辺縁からpooling様に内部に染み込んでいく像により鑑別が可能である。ただし、前癌病変である腺腫様過形成は門脈血流が流入するが、この門脈血流をハーモニック法で検出することはこれまでは極めて困難であった。すなわち、肝動脈由来の血流と上腸間膜静脈へ戻って門脈に入る一瞬の時間差を利用して血流が腫瘍に入るか否かを判定する必要があるため、視覚的な判定に頼らざるを得なかったため、診断が主観的になり客観的な評価は困難であった。今回われわれが開発した方法はraw data保存を利用して動脈血流と門脈血流を分離評価できる方法である。Levovistを用いることにより、そのraw data保存から検査後に腫瘍ならびに腫瘍の外側の動脈や門脈に関心領域(ROI)をおき、その立ち上がりから純粋に動脈のみで栄養される数秒間を装置内でコンピュークー解析で同定し、その時間だけのMIP画像を加算してaccumulation画像を作成すると動脈が栄養しているか否かを判定し得ることを明らかにした。また、その後の門脈と動脈の両方が入るmixed phaseにおいては両者の交じり合ったこのphaseで血流が評められれば、それは門脈血流が存在する結節である可能性が評価できる。この点で純動脈相イメージ(pure arterial phase imaging)は結節内の動脈と門脈の分離評価を可能にする新しい手法と考えられる。現在、2007年1月10日に薬価収載となったSonazoidを使用してさらに新しい検討を実施し成果をおさめつつある。
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Research Products
(65 results)