2008 Fiscal Year Annual Research Report
剣道の国際化における「剣道試合審判の問題点」に関する運動学的・文化論的研究
Project/Area Number |
18300206
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小沢 博 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (20096697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 弥 東京理科大学, 理学部, 准教授 (70211612)
竹田 隆一 山形大学, 地域文化創造学部, 教授 (30171656)
植原 吉朗 國學院大學, 文学部, 教授 (80193837)
本多 壮太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10452707)
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Keywords | 剣道 / 国際化 / 審判 / 剣道規則 |
Research Abstract |
平成20年度、本研究は、次の3点を中心に研究を実施した。1.試合審判規則の変遷の見直しを歴史的経緯、有効打突、審判運営の考え方の3点から実施した。2.平成19年度に実施した日本および海外高段者への「試合審判規則一有効打突と反則行為一と審判育成に関するインタビュー」を基にして作成した「剣道試合審判に関するアンケート調査」を35カ国400名に対して実施し、分析を行った。3.3年間の研究報告書の作成。試合審判規則は警察庁が撃剣大会を開催したときに作成して以来、時々の時代背景、思想、倫理基準、運動学的有効性などに影響され、多くの変容をへてきた。有効打突の基準も明確ではなく、言語化不可能な運動行動を要素として含んでおり、基準を明確に出来ず、反則行為も含め、変更による欠点を十分理解しながら修正・変更し、大枠での日本の伝統文化としてあるべき剣道を模索していると言える。このように有効打突の基準が明確でなく、故に厳密に統一されていないため、理解や解釈にかなりのばらつきがあり、様々な試合に審判員として対応して行くには長い時間の稽古が必要となっている。アンケート調査によって、海外の剣道家の有効打突一特に運動学的に判断の困難な状況一や反則行為に対する理解が統一されていないこと、また、それらを理解するための稽古の場や実践の機会が非常に少ないことが明確となった。特に海外の剣士は審判講習会の継続的な開催とそこでの試合審判規則の統一的な理解のための指導を求めており、国際機関による計画的審判員養成の機会および体制構築が不可欠と考えられる。
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Research Products
(9 results)