2006 Fiscal Year Annual Research Report
膝前十字靭帯損傷メカニズムの三次元的解明と予防法の構築
Project/Area Number |
18300219
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福林 徹 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70114626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教授 (70164069)
倉持 梨恵子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (00386658)
赤居 正美 国立リハビリテーションセンター研究所, 研究員 (80143452)
井田 博史 神奈川工科大学, ヒューマンメディア研究センター, 研究員 (20392194)
奥脇 透 国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (20274871)
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Keywords | スポーツ障害 / 運動器外傷学 / 運動器リハビリテーション学 |
Research Abstract |
本年度はサッカー選手のACL損傷時のビデオ画像からの3次元解析と,女子バスケットボール選手のジャンプ着地実験からの動的膝外反因子の検討の2種類の研究を施行した.ACL損傷時にPoser法で作成した骨格モデルを用いての3次元解析では,ACLの受傷は地面に接地後33msec前後で生じる事,その時の膝屈曲角度は40〜60度と文献的より深い屈曲各度であった.その時の膝外反角度は12度で2峰性のパターンをとり,脛骨の内外旋は症例で異なっていた.女性アスリートのACL損傷リスクのスクリーニングの目的で大学女子バスケットボール選手の簡便なジャンプ着地時の二次元動作解析を行い,二次元解析の妥当性を立証するため三次元動作解析を一部症例で付け加えた.大学女子バスケットボール選手112名を対象とし、フォースプレート上で連続ジャンプを行わせ、前方と側方から家庭用ビデオカメラで撮影し、最大膝外反角度と膝関節屈曲角度を計測した.また静的因子として股関節内旋可動域,外旋可動域を測定しその関連を検討した.三次元解析はこの中の10名を対象とし、Point Cluster Techniqueを用いて行った.二次元解析の結果では膝最大外反角度は17.4°,膝最大屈曲角度は65.2°であった.また,最大膝外反角度と股関節内旋外旋可動域との間に有意な相関関係をみた.三次元解析の結果,二次元での膝外反角度と三次元での外反角度の間に有意な相関関係を見た.これにより膝最大外反角度が平均以上,膝最大屈曲角度が平均以下の選手を高ACL損傷リスク群として設定した.また二次元解析時の膝外反角度と三次元解析時の値に良好な相関関係が見られた事により、スクリーニング法として二次元動作解析が有用であることが立証された.
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