2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳内ストレス処理過程とストレス関連疾患発症に関する研究
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18300226
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
豊島 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70328342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80119776)
木村 直史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80138742)
遠藤 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20158786)
衛藤 謙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00287210)
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Keywords | ストレス / 近赤外線トポグラフィー / 事象関連電位 / 心電図RR間隔周波数解析 / 耐性 / 血小板凝集能 / ノルアドレナリン / ACTH |
Research Abstract |
初年度の研究は、実験システムを構築し、次年度以降の実験プロトコル作成のための基礎的実験を中心に行った。 健常人37人を対象に実験を行った。ストレス反応は、近赤外線トポグラフィー法による両側側頭部の能表血流変化、事象関連電位P300、ECG RR間隔周波数解析、血小板自然凝集能、血小板ノルアドレナリン惹起凝集、血中ストレス関連ホルモン、唾液中クロモグラニン、唾液中IgA、唾液中コルチゾルで行った。 ストレス負荷は、従来よりわれわれが用いている3分間の暗算負荷法を用いた。本法では、血中ノルアドレナリンの増加とこれに対する血小板自然凝集能の亢進が確認され、一部被験者でP300潜時短縮を確認した。本負荷では、ノルアドレナリンの増加は誘発できたが、アドレナリンの増加を誘発することは出来なかった。また、負荷後ACTH、コルチゾールは逆に減少した。 そこで、申請者ら独自のストレス負荷法として、ホラー映画の恐怖場面のみを編集した5分間の映像ストレスを負荷したところ、ノルアドレナリンとコルチゾールの有意な増加を認めた。しかし、本法では、ノルアドレナリンの測定値は変化しなかった。 以上より、ストレス反応は、ストレス負荷法により個別に異なる事が示唆され、ヒトにおけるストレス負荷試験は複数種類のストレス負荷を平行して行い、その結果を総合的に評価するプロトコルを作成する必要がある事がわかった。 また、ストレス負荷に対する能血流の変動は、被験者の生活歴、教育歴などに大きく左右される予想された。高次大脳機能は、トレーニングによって変わる事を意味し、脳血流をストレス反応評価に用いるためには、なんらかの工夫が必要と考えられた。
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Research Products
(5 results)