Research Abstract |
本研究は,教員それぞれのICT活用指導力に応じた在校研修を実現するために,学校現場の教員のICT活用指導力の能力構造を明確にし,その能力構造に基づいたeコンサルテーションシステムを開発し,その効果を検証することを日的とした,3ヵ年の研究である。第3年次の平成20年度は,以下のように研究を進めた。 (1)ICT活用授業に関する実践を継続して収集し。これまでに蓄積されたDBに追加した。それらの実践を,教科・学年・単元・授業の目標・学習指導過程・活用されているICTの種類・ICTに期待する役割の観点で分類した。この際,適宜,複数の学校現場に参与しつつ,分類データの抽出粒度の調整を図った。これらのDBの類型をもとに,教員に役立つIT活用授業の助言DBを開発した。 (2)ICT活用による学習指導が学校現場に根付いており,かつカリキュラムや教員研修が日本のそれと類似している英国について,ICT活用による学習指導の調査,利用されている教材,学習効果,教師教育の現状等について調査を行った。その際,日本の授業との基本的な相違点を認識した上で,ICTを活用する際の違いを分析した。 (3)小学校現場の教員によるICTの実態について調査をした。その結果,実物投影機の活用が多いこと,教科書を映すことが多いことなどの知見が得られた。これらを受け,教科書準拠の提示用教科書の開発を試作した。 (4)これらの研究成果をもとに,ICT活用実践に対するコンサルテーションシステムを検討した。学校現場へのICT活用の普及の現状から考え,Web上のシステムとして公開することよりも,出版物として世にアピールする方が所与の目的に寄与すると判断し,研究成果を出版物にまとめた。また,研究の経緯や成果については,国内外の学会で積極的に報告した。
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