2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島におけるブタ飼育開始過程およびウマ飼育に関する動物考古学的研究
Project/Area Number |
18300305
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
本郷 一美 総合研究大学院大学, 葉山高等研究センター, 助教授 (20303919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物学部, 教授 (00109521)
鵜沢 和宏 東亜大学, 総合人間文化学部, 助教授 (60341252)
遠藤 秀紀 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (30249908)
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Keywords | 東アジア / 東南アジア / ウマ / イノシシ / ブタ / 家畜化 / 形態 / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
本研究は日本におけるブタとウマの飼育開始過程を、東アジア全域でのブタとウマの飼育と伝播の歴史の中に位置づけることを目的とする。日本列島で独自にイノシシの家畜化過程が進行したか、ウマは大陸からどのようなルートで日本列島に伝播し、どのような経緯で日本在来馬品種が成立したかなどを明らかにするものである。18年度は以下の研究を行った。 日本産現生イノシシの形態データと、日本の中世・近世のウマの形態データを収集した。日本列島におけるイノシシのサイズ変異を明らかにする目的で、国立科学博物館および東京大学農学部が所蔵するニホンイノシシとリュウキュウイノシシの現生骨格資料(約400点)の計測データを収集した。日本イノシシとリュウキュウイノシシの間に、体サイズの差以外の形態的な違いがあるかどうかを調べる目的で、従来のノギスによる計測に加え、接触型3次元計測器を用いて下顎骨のプロポーションと角度を詳細に分析する方法を取り入れた。現在このデータの解析をすすめ、計測方法を改良し、有効な計測点を選ぶ作業を行っている。また、mtDNA分析を行うために東南アジア産イノシシの資料を収集した。これらのデータから、形態的特徴と分子遺伝学的研究により提出された遺伝的特徴とを併せて検討していく。 ウマに関しては、関東地方の中世および近世の遺跡から出土したウマ骨格の計測データの収集をおこなった。また、中世の遺跡から出土したウマ骨格のプロポーションを、日本在来品種(現生)や、モンゴル馬と比較した。
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