2006 Fiscal Year Annual Research Report
超磁歪振動子を用いた浅層地中 探査映像の分解能改善
Project/Area Number |
18300307
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (80257427)
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Keywords | 計測工学 / 可視化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
平成18年度は、まず6月1日-3日に那覇市で行われた文化財探査学会に出席し、音波探査実験のための候補地選定を行った。その結果、平城京の北東部での探査実験を行うことになった。この場所は湿っていてレーダ探査では分解能が上がらないため音波探査を試して欲しいとのことであった。 平城京現地での実験は9月11日から14日の4日間で行われた。実験では超磁歪振動子を用いてダウンチャープ波(600-300Hz,送振時間100ms)と比較用の通常のバースト波(1kHz,200Hz,10波)を送振した。受振はセンサーであるジオホン12個と弾性波探査装置(McSEIS-SX)を用いて行った。各送振波形は超磁歪振動子をなめらかに駆動するためにハニング窓をかけた波形を採用した。実験後、計算機上で反射散乱波重合法を用いて映像化を行い、分解能の比較を行った。この際、ダウンチャープ波については送振波を基準としたパルス圧縮を適用した後に映像化を行っている。比較結果から以下のことが明らかになった。 1.パルス圧縮後のダウンチャープ波および1kHzバースト波のどちらもほぼ同程度の分解能を持っていること。 2.どちらも手打ちハンマー法を想定した200Hzバースト波のものより5倍程度、距離分解能に改善が見られること。 3.しかしながら、分解能改善と同時に横方向に薄い虚像が出やすいこと。 次にカンボジア王国バッタンバン州における音波伝播実験を行った。これは現地の土壌が電解質を含むラテライト土壌であり、レーダ探査に向いていないためである。実験は12月22日から1月7日の間にかけて行われた。運搬の関係上、超磁歪振動子と駆動用アンプの使用を断念し、従来の手打ちハンマーと弾性波記録装置(McSEIS-SX)を使用した。実験の結果から、ラテライト土壌においても日本と同様な音波伝播特性が得られることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)