2006 Fiscal Year Annual Research Report
江戸初期と幕末維新期における銃砲技術の伝統と革新に関する総合的研究
Project/Area Number |
18300308
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
宇田川 武久 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (70104750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (50205663)
三宅 宏司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70124782)
保谷 徹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60195518)
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Keywords | 銃砲 / 幕末 / 鉄炮 / 大鍛冶 / 精錬 / 鉄 / 再現実験 / 施条砲 |
Research Abstract |
主として幕末維新期の資料を対象として調査を行った。各地の博物館や資料館が所蔵する資料の中から調査対象を選択し、共同で現地調査を実施し、研究組織内で基本情報(資料の流派、製作年代、製作地など)の共有をはかった。実物資料については齋藤・三宅が、文献資料については宇田川・保谷が中心となって情報の取りまとめをおこなった。 他機関が所蔵する資料のほか、それらに対応する館蔵の文献史料(炮術秘伝書)と実物資料(銃砲)、特に新規購入資料についても調査を行い体系化をすることができた。すなわち、日本銃砲史は16世紀なかば鉄炮伝来から19世紀末の明治初年におよぶが、この時期をその特徴から5期に区分し、なおかつ歴史の中での銃砲の製作技術を含めてどのように変遷遷移したかを明らかにし、その中での本研究課題の位置づけについて明確にすることができた。幕末維新期の銃砲技術、とりわけ施条砲については、例えば外国産のものは尾栓部がなく閉鎖されているのに対し国産のものではネジによる尾栓が取り付けられており、これは江戸期の銃砲技術の延長上にあると考えられるなど、いくつかの独自な見解を明らかにすることができた。 精錬技術(大鍛冶)の再現については、炉内温度を非接触で測定できる高温サーモグラフィー放射温度計を購入し、時間経過とともに変化する炉内温度分布を記録しながら実験を試みた。これにより、文献記録にある各工程の意味など詳細を明らかにすることができた。 研究の一部は2006年10月3日 11月26日に国立歴史民俗博物館で開催された企画展示「歴史のなかの鉄炮伝来」やこれに伴って10月21日に開催された歴博フォーラムにおいて公表した。
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Research Products
(5 results)