2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会・生態システムの生活者参加型環境マネジメントに関する研究
Project/Area Number |
18310028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 良巳 京都大学, 防災研究所, 教授 (00268567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 清子 佛教大学, 社会学部, 教授 (00198649)
坂本 麻衣子 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (50431474)
竹門 康弘 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50222104)
谷本 圭志 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20304199)
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Keywords | 生活者参加型 / 環境マネジメント / GES環境 / コンフリクトマネジメント / 社会的安定性 / 水辺環境評価 / 生息場構造 |
Research Abstract |
本年度は初年度であり、全体的には調査の実施が多く、その収集整理が膨大で、結果として研究途上のものが多いことを断っておく。以下18年度の研究実績の概要を述べる。 1、社会システム:環境マネジメントに必ず伴うコンフリクト問題の安定性をまとめた。すなわち社会的安定性を数学的安定性でどこまで表現できるか考察・分類した。次に環境評価と意思決定支援における基準としての多基準分析法の種々の理論の比較検討を行いそれらの適用可能性をいくつかの事例を通して考察・分析した。また、京都鴨川社会調査ではメタレベルとアクタレベルを設定し、データ構造を「〜である」「〜であってほしい」「〜と感じる」に分類し、KJ法とISM法を併用して調査項目の構造を決定し、調査票を設計した。これを用いて生活者の一部である地元住民と地元芸術系の高校生ならびに釣り人を対象として水辺環境評価を行なった。データのうち感性データを用いて因子分析を行なった。結果としては、生活者の多様なジオ・エコ・ソシオ(GES)環境評価(ソシオから見たエコの)結果が出てきている。また、これにより生活者の平均的な環境評価の意味がないこともわかった。 2、生態システム:河道の砂州の生息機能をまとめ、水生生物存続に必要な水辺ジオ環境が明らかになった。また鴨川の特異性を表す多数の堰堤に仕切られた生息場構造と魚類相と水鳥相の関係を調査したが、分析には至っていない。この分析がエコから見たソシオ環境評価につながる論理を今後構築する必要がある。 3、社会と生態システムの関連構造:数学的なシステムの一般理論は整理した。すなわち、これらの関連構造と時間を導入した安定性の議論を論述した。そして、具体的には、地元住民と水鳥に着目したGES環境における関連分析の準備ができた段階である。これと1、について、現在3つの全文審査付論文として投稿中である。
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Research Products
(14 results)