2007 Fiscal Year Annual Research Report
農産廃棄物固定化担子菌による有機性農薬汚染土壌のバイオレメディエーション法の開発
Project/Area Number |
18310055
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
星野 一宏 University of Toyama, 理工学研究部(工学), 准教授 (20222276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 重浩 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (50272894)
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Keywords | 土壌浄化 / バイオマス / バイオレメディェーション / 担子菌 / 農産廃棄物 / 農薬 |
Research Abstract |
a)担子菌の土壌中での増殖・酵素生合成および分泌特性の解明小型の土壌カラム(内径7.5cm,高さ50cm)にC. versicolorあるいは農産廃棄物を用いて調製した固定化担子菌を投入し、それぞれの条件での土壌中での担子菌の増殖、細胞内リグニン分解酵素の発現量、土壌中でのリグニン分解酵素を培養工学と分子生物学的手法を用いて検討した。その結果、菌体をカラム表面上に添加した場合、菌体は地下5cmまで増殖したものの、10cm以下では増殖が認められなかった。しかし、地表表面で増殖した担子菌は、Laccaseなどのリグニン分解酵素を分泌し、地下30cmの地点においてもその活性を確認することできた。また、カラム全体に担子菌を挿入した場合、地下50cmにおいても担子菌の増殖は確認され、さらに、Laccaseの分泌が確認できた。これらの結果から、担子菌の地中での増殖及びリグニン分解酵素の分泌を測定する方法を確立でき、さらに、担子菌から分泌するリグニン分解酵素の挙動を確認できた。 b)固定化担子菌を用いたバイオレメディエーション法による環境汚染物質汚染土壌の浄化 a)の結果を踏まえて、農薬として使用されていたペンタクロロフェノール(PCP)をモデル物質とした有機汚染土壌の浄化に適応させた。PCPの分解は、土壌表面及び土壌中に均一に混合した場合、菌体の増殖に伴ってリグニン分解酵素の分泌が促進し、同時にPCPの分解も進むことが判明した。また、地表表面に担子菌を添加した場合でも、カラム底部でLaccaseを確認でき、分泌された酵素は、時間とともに地下に浸透していき、PCPの分解を促したことがわかった。また、100ppmの濃度であったPCPは、培養30日目において地下50cmにおいても約20ppmにまで減少させることが可能であることが判明した。
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Research Products
(3 results)