2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機触媒を用いた難分解性プラスチックの画期的なケミカルリサイクル技術の開発
Project/Area Number |
18310057
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上村 明男 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30194971)
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Keywords | 環境技術 / 高分子合成 / 廃棄物再資源化 / 廃棄物処理 / 二酸化炭素排出削減 |
Research Abstract |
廃FRPの超臨界分解から得られた、リンカー由来の成分についてのリサイクルの可能性を探るため、その熱分解反応について検討を行った。リンカー由来の成分はGPC測定の結果数平均分子量21000のスチレンを主体としたポリマーであり、リンクするための無水マレイン酸由来と思われるエステルユニットを含んでいる、これを加熱して重量減少をみるためにTGマス測定を行った。リンカーポリマーは昇温していくと、78℃から徐々に質量減少が始まり、168℃までに重量の2.2%が減少した。さらに加熱すると280℃までに7.6%野重量減少がみられ、これより潟度を上げると一気に重量減少し、440℃までに91.5%の重量減少が観測された。また、440℃以上の加熱では、ほぼ重量減少はみられなかったが、このときすでにリンカーのほぼ100%近い重量が失われており、残渣はほとんどないことがわかった。FTIRの計測結果より、最初にカルボニル基出来のピークの減少がみられたことから、168℃までの重量減少はメチルエステル由来のメタノールが除去されたために起こり、220℃までの重量減少は、カルボキシル基の脱炭酸によるものと推測された。また、これより高温の領域ではポリスチレンユニットの分解による重量減少と考えられる。熱分解をアルゴン気流中で行ったところ、300℃以上で分解したところ黄色の油状物質がリンカーから留去されることがわかり、これを回収してGCおよびNMRを測定したところ、主としてポリスチレンであることがわかった。すなわち、熱分解してポリスチレンがスチレンに解重合され、回収容器中で速やかに再重合してポリスチレンとなったことが強く示唆された.
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