2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物の自然治癒力を応用した沖縄のサンゴ礁修復技術開発
Project/Area Number |
18310058
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山崎 秀雄 琉球大学, 理学部, 教授 (40222369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 崇 琉球大学, 理工学研究科, 研究員 (40404553)
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Keywords | サンゴ / サンゴ白化現象 / 光合成 / 環境修復 / 地球温暖化 / 沖縄 / ストレス / 海水温度上昇 |
Research Abstract |
永続的にサンゴ礁生態系を修復するためには、人の手を入れないで自立的に回転するシステムが必要である。本来、生物にはダメージを修復する能力が備わっており、サンゴにも様々な修復システムが機能している。サンゴの自己修復システム(自然治癒力)を強化することによってサンゴ礁生態系の基盤であるサンゴを再生・維持し、生物間の正の連鎖作用を用いて環境を修復する新しい技術を開発する。そのためには、サンゴのダメージと修復の生理学的研究と物理的環境要因のサンゴに与える影響等の科学的知見と新規理論を確立する必要がある。本研究課題では、青色光によるサンゴ修復システムの強化の有効性とメカニズムを検討し、大規模応用を視野にいれた新しいサンゴ礁回復技術の開発を目指している。3年間の研究計画で青色光のストレスに対する生理学的な効果を調べ、最適な光の質(波長、強度、周波数)を明らかにする。その後、完全人工飼育系、屋外水槽実験、野外定置設置実験によって長期的な影響と効果を調べ、科学的な効果の検証おこなうことを目的とする。本年度は、三年計画の初年度実施年として、飼育環境設定を始め、予備試験研究を中心におこなった。対象サンゴ種として、コユビミドリイシとショウガサンゴを採用した。完全室内光飼育環境と屋外自然光飼育環境の二種を設定し、試験研究用のサンゴの栽培を開始した。青色光による修復試験に用いる光源を検討し、水中で使用可能な発光ダイオードによる照明システムが適当との結論を得た。サンゴには生理的な状態を評価する手法が確立されていないため、植物や共生藻類を用いて、予備実験をおこなった。クロロフィル蛍光測定による光合成活性評価法の検討や、ラジカル生成検出によるストレス度判定法の検討をおこない、次年度以降の基礎を確立した。
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[Journal Article] Acroporid corals inhabiting over a unique methane-bubbling hydrothermal vent field in a coral reef of Southern Ryukyu Archipelago.2006
Author(s)
Nakamura, T., Yamazaki, S., Sasaki, K.Yamasaki, H., Furushima, Y., Yamamoto,H.
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Journal Title
Coral Reefs 25
Pages: 382-382
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