2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310068
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (30211931)
|
Keywords | 電気化学 / 表面化学 / 分子ワイヤ |
Research Abstract |
電気化学は液相中に溶解させた物質を外部電場で制御しながら基板に堆積させることが出来る有効なナノ構造構築法である。これまで電気化学的手法により金属や分子のナノワイヤの形成が報告されてきた。しかしながら単一分子レベルでの極微ワイヤ構造の作成には成功していない.我々は、電気化学を用い液相中で1本の導電性高分子を長さ・密度・方向・形を電気パルス印加により制御しながら大面積に形成させる新しい技術"電気化学エピタキシャル重合"を開発した。この技術はモノマー(分子細線原料)を含んだ電解質溶液中において、ヨウ素原子で表面修飾した原子平坦金属電極にパルス電圧を印加することにより、基板の表面原子配列に沿ってモノマーの逐次的な電解重合を起こさせ単一分子細線を形成させる原理に基づいている。今年度は二つの異なるモノマー分子、酸素に含むチオフェン(C80MT)と酸素を含まないチオフェン(C8MT)を用いて、多段的電気化学エピタキシャル重合をを行い、単一分子ヘテロ接合の形成を行った。はじめに、酸素を含まないモノマーC8MTを含んだ電解質溶液中で電極上にワイヤーを重合させる。次に電極を取り出し、酸素を含むモノマー分子C80MTを含む電解質に浸漬させて重合することによりヘテロ接合を単一分子レベルで形成させた。STMで表面を観察したところ、2種類の分子ワイヤの結合が観測された。更に、3連結、多連結ワイヤも観測された。以上から異種接合分子ワイヤの構造をSTMを用いて明らかにすることに成功した。
|
Research Products
(4 results)