2007 Fiscal Year Annual Research Report
光カー媒質をコートしたナノサイズ金属球・ロッドのプラズモニック非線形光学効果
Project/Area Number |
18310071
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 萬壽夫 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70035632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 雅宣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20198906)
岡本 敏弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60274263)
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Keywords | 局在プラズモン / 金属ナノ微粒子 / 非線形光学効果 / 光カー媒質 / FIB加工 / ナノ材料 / 光物性 |
Research Abstract |
1.単一微粒子における非線形光学現象の観測 直径が約40nmのCdSコート銀ナノ微粒子1個の散乱光強度が、入射光強度によって非線形に変化する現象の観測に成功した。ナノ秒パルスレーザ光入射では光スイッチ現象が、フェムト秒パルスレーザ光入射では2光子吸収による散乱割合の減少が観測された。特に後者は非常に高速に変化する現象であることが確認された。この結果は、1個の微粒子で高速の光変調動作が可能であることを示唆するものである。 2.複数の微粒子で生じる電場増強効果を利用した非線形光学現象の観測 銀膜をFIB(集束イオンビーム)加工することで、約8nmのナノギャップを持つ2個の銀ナノプリズムを作製し、この1組の銀ナノプリズムダイマーの線形散乱光スペクトルを観測することに成功した。この構造ではギャップ間の近接場光増強とそれに伴うQ値の高い散乱スペクトルが現れ、顕著な非線形光学現象が現れることが期待される。しかし高Q値の線形散乱スペクトルピークは現れず、非線形光学現象は観測できなかった。非線形性を発揮させる構造としては、加工精度不足と構造に対する入射方向・観測方向に問題点があることが明らかになった。 3.単一及び複数の微粒子で生じる非線形光学現象の解析 CdSコート銀ナノ微粒子1個の非線形光学応答について実験結果とシミュレーションを比較した。ナノ秒パルスレーザ光入射時に生じた光スイッチ現象は、発熱によるCdSの誘電率実部の変化によってプラズモン共鳴の散乱スペクトルピークシフトしたことが原因であることを明らかにした。またフェムト秒パルスレーザ光入射で生じた2光子吸収は、CdSのエネルギーバンド間遷移とCdSから銀への電子移動を介した2光子吸収によって、等価的にCdSの誘電率虚部が増加していることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)