2008 Fiscal Year Annual Research Report
光カー媒質をコートしたナノサイズ金属球・ロッドのプラズモニック非線形光学効果
Project/Area Number |
18310071
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 萬壽夫 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70035632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 雅宣 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20198906)
岡本 敏弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (60274263)
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Keywords | 局在プラズモン / 金属ナノ微粒子 / 非線形光学効果 / 光カー媒質 / FIB加工 / ナノ材料 / 光物性 |
Research Abstract |
1.光変調動作に最適なコアシェル微粒子の構造設計及び解析 CdSをコートしたAgナノ微粒子において、入射光強度に対する非線形な散乱光強度変化が得られやすい構造設計を行った。また、光変調素子として用いる微粒子の光入出力特性を明らかにするために、近接場光を介した銀微粒子間のエネルギー伝達特性のシミュレーションを行った。直進微粒子列、曲がり微粒子列での光エネルギー損失を評価し、損失低減のための構造を提案した。 2.光変調動作に適した構造の製作 光変調などの非線形光学応答は、光強度増強効果が高いほど発生しやすく、低パワー動作が可能になる。近赤外波長域でコアシェル微粒子よりも高い光強度増強効果が期待できる直径100nm程度の銀の分割リング構造に注目し、集束イオンビーム加工やドライエッチング法を用いた作製に成功した。この作製技術は、光学非線形性を用いた光変調だけではなく、電磁メタマテリアルと呼ばれる自然界に存在しない光学特性を持つ人工構造物の研究に発展させる。 3.光変調動作の実験観測、性能評価 サブピコ秒パルスレーザ光を使って、CdSをコートしたAgナノ微粒子の散乱光を測定し、光変調動作が可能な非線形光学応答を観測した。応答速度がサブピコ秒であること、プラズモン共鳴によって非線形性が増大していることを明らかにした。また理論計算との比較から、非線形性の起源がCdSの2光子吸収ではなく、バンド間遷移によるキャリア増大に伴う屈折率変化であることがわかった。このことは、光変調だけではなく、光スイッチや光双安定動作もサブピコ秒の応答速度で実現可能であることを示唆している。
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Research Products
(5 results)