2006 Fiscal Year Annual Research Report
地震と豪雪の複合災害の被害想定および地域防災に関する研究
Project/Area Number |
18310127
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
上村 靖司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70224673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 千葉大学, 工学部, 教授 (10226855)
松沢 勝 (独)土木研究所, 寒地土木研究所・寒地道路研究グループ, 総括主任研究員 (00414201)
渡邊 洋 福井大学, 工学部, 研究員 (60333986)
佐藤 篤司 (独)防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, センター長 (30414410)
|
Keywords | 自然災害 / 地震 / 防災 / 減災 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
まず、中越地震と平成17年豪雪の複合的被害を整理・分析した。中越地震後の冬,被災地は19年ぶりの豪雪に見舞われ,雪の重さで269棟の建物が倒壊し,雪による事故で173名が死傷した。また平成17年冬期の定期巡回調査(スノーパトロール)結果と,県の雪害記録データを用いて,地震後の冬の雪害を分析した. 次に、地震と豪雪を経験した住民自身に、「積雪期に地震が起きたらどうなるのか」を想定してもらうアンケートを実施した.震災直後,3日間,1ヶ月というタイミングでの実際の行動と積雪期地震の想定を185サンプル集め分析した.結果,避難場所が著しく制限されること,全壊率が5倍以上になることなどが明らかになった.また、積雪期地震の場合の建物の被害を想定するため、地震荷重と雪荷重の載荷順序を考慮して構造物の信頼性評価方法を検討した。また、屋根雪の振動が木造住宅の地震応答に及ぼす影響について、振動台を用いて積雪の挙動を実験的に検討した。その結果、雪と屋根の境界で滑る、雪が破壊される、雪の層内が破壊される、などのケースに整理されることがわかった。 続いて、中越地震発生後、急ピッチで進められた種々の防雪施設の復旧履歴について、小千谷市における道路の被害の記録と復旧工事の記録をデータベース(DB)化し、その防雪施設の応急復旧技術について、事例を整理した。以上のDBを元に、時空間GISエンジン(J-STIMS)をベースとする、地震-雪害複合災害のシミュレータのプロトタイプを作成した。防雪施設の雪処理能力、降積雪量、被災・復旧履歴の各DBとリンクし、目的地までの移動困難さ指標(被災度)を求めるモデルを組み込んだ。 最後に、雪崩による集落孤立想定シミュレーションの前段として、斜面上の積雪に震動が作用した場合の力学モデルの構築が進められ、基本的な力学的モデルは完成した。
|
Research Products
(1 results)