2007 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦初期アメリカ合衆国の環太平洋地域における産業・情報政策に関する学際的研究
Project/Area Number |
18310162
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
土屋 由香 Ehime University, 法文学部, 准教授 (90263631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澤 健次 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10116957)
栗田 英幸 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60335883)
貴志 俊彦 神奈川大学, 経営学部, 教授 (10259567)
谷川 建司 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10361289)
三澤 真美恵 日本大学, 文理学部, 准教授 (90386706)
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ合衆国:韓国:フィリピン / 文化冷戦 / 文化外交 / 情報政策 / 映画 / USIA / 冷戦 |
Research Abstract |
昨年度、分担者の急病のために招聘手続きを進められなくなった台湾国立花蓮大学教授のWu Lin-chun氏を7月初旬、早稲田大学に招聘し、研究会を開催した。1950年代台湾におけるロックフェラー財団等のアメリカ合衆国民間部門の文化的支援活動を中心に、アメリカの対台湾文化外交についての知見を深めることができた。台湾におけるアメリカ文化外交のあり方に対して、他のアジア諸国との国際比較の視点から、活発な議論が交わされた。また、これを機会に最終的な研究成果の出版計画についても話し合いが行われ、Wu教授を含めてそれぞれの執筆者の予定している論文内容について、互いに知見を深めるとともに貴重なコメントを交わすことができた。 もう一つ、昨年度から繰り越されたプロジェクトは、貴志による中国調査旅行であった。健康上の理由により小林聡明および通訳兼助手の呼斯勒が代理として、8月26〜9月5日にかけて中国での調査を行った。遼寧省瀋陽市においては、遼寧省档案館・遼寧省図書館・抗美援朝烈士陵園の三箇所で朝鮮戦争中に発行された『瀋陽日報』をはじめとして、文化宣伝や新聞工作に関する資料を調査・収集した。同省丹東市においては、抗美援朝記念館で現代中国における朝鮮戦争の位置づけと歴史解釈について貴重な知見を得た。吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市においては、延辺図書館および延辺大学図書館で、朝鮮戦争中に北朝鮮で発行された雑誌の調査を実施し、目録を作成するとともに、文化宣伝や心理戦に関連する記事を収集した。最後に北京市において、元人民日報東京特派員、元駐日中国大使館一等書記官であった人物と面談し、朝鮮戦争中軍事の状況や中朝関係について聞き取り調査を実施し、また中国外交部档案館で1950年代の中朝関係に関する档案を収集した。 全体として、これまでほとんど明らかにされていなかった中国本土における文化冷戦の諸相について貴重な知見を得ることができ、本科研研究プロジェクトの推進に大いに資することができた。
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Research Products
(16 results)