2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 浩司 Osaka University, 大学院・文学研究科, 助教 (50263182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 立晶 同志社大学, 文学部, 講師 (30411052)
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Keywords | 弁論術 / レトリック / キケロ / クインティリアヌス / アリストテレス / 説得 / エートス / パトス |
Research Abstract |
本年度は、アリストテレスの『弁論術』とキケロの弁論術書(『弁論家について』『弁論家』『トピカ』『ブルートゥス』)、そしてクインティリアヌスの『弁論家の教育』という弁論術において重要な役割を果たした三者を研究対象にすえ、これら三者を比較して、これら三者の弁論術の特徴を明らかにすることを目標とした。研究代表者は、説得推論(エンテューメーマ)を比較の基準として、研究協力者の吉田俊一郎はエートス(性格)とパトス(感情)とを比較の基準として上記三者の異同を調べそれぞれの特徴を指摘した。これらの成果を研究代表者と吉田俊一郎はそれぞれ研究会で発表した。 また、研究代表者、研究分担者および研究協力者は、研究協力者でもある森谷宇一大阪大学名誉教授の指導のもので古代ローマ弁論術を完成したクインティリアヌスの『弁論家の教育』全12巻のうち3巻から5巻までを邦訳した。これは来年度、京都大学学術出版会から刊行される。 また、研究代表者と研究分担者とは、研究協力者の協力をえて、クインティリアヌス『弁論家の教育』の1巻から5巻までの主要用語および主要術語の辞書(データベース)を作成した。 また以上とは別に、研究代表者は、キケロの弁論術書の一つである『トピカ』を読解しているところであり、同じくキケロの弁論術書の一つである『弁論家』を邦訳しつつある。また、研究分担者は、近代美学の成立過程における弁論術の影響を研究しているところである。
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Research Products
(1 results)