2008 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代における〈書画情報〉の総合的研究II--『古画備考』を中心に--
Project/Area Number |
18320033
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
玉蟲 敏子 Musashino Art University, 造形学部, 教授 (10339541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 正彦 成城大学, 文芸学部, 教授 (10159262)
大久保 純一 人間文化研究機構, 国立歴史民俗博物館・研究部, 教授 (90176842)
田島 達也 京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (40291992)
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (50211446)
黒田 泰三 (財)出光美術館, 学芸課, 課長 (60392883)
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Keywords | 古画備考 / 書画 / 江戸時代 / 情報 / 江戸 / 古画趣味 / 美術史 / 備忘録 |
Research Abstract |
本研究は、代表者1名、分担者5名、協力者6名の合計12名から成る研究組織で推進しており、平成20年度は、全員出席の定例研究会を2回、定例見学会を2回、臨時研究会を1回実施した。本年度は当該研究の最終年度に当たり、研究会においては、これまで未発表の研究分担者から分担分野の発表が行われた。本研究は同題目研究の第II期に位置づけられているが、第I期から引き続いて本文の校合作業が最大の研究課題であるため、その作業の調整と統合について研究会において多くの時間を割いて議論し、統合的なルールを作成し、かつブログを新設して校合作業上、起こってくる問題を研究分担者、協力者、補助者の間で共有し考えていく場とした。同じく第I期から引き続いている言及作品の調査・確認の作業については、その成果をまとめたデータ・べースを更新・改訂し、それを第II期の研究成果としてウェッブ上で公開することを改めて確認した。見学会では、とくに徳島城博物館において所蔵および寄託資料の調査研究を行った。成果としては、阿波藩主蜂須賀家の御用絵師で、『古画備考』の編者、朝岡興禎の兄、狩野晴川院の弟子、中山養福筆「魚草木写生図巻」のなかに番町の朝岡邸で写生された「乙女椿図」、隣家の「山桜図」が見出され、従来具体的には明らかではなかった『古画備考』が執筆された当時の朝岡邸の位置やその環境が判明したことが挙げられる。これらの成果は研究成果報告書において公表していくことになるだろう。なお、校合作業の研究成果は全体の用語や装丁の統一を図った後、改めて出版物として公表していく予定にしている。
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Research Products
(21 results)