2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320059
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高木 繁光 Doshisha University, 言語文化教育研究センター, 教授 (00288606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諌早 勇一 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (80011378)
MELINIKOVA Irina 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (10288607)
松本 賢一 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (00309072)
銭 鴎 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 准教授 (70298701)
大平 陽一 天理大学, 国際文化学部, 准教授 (20169056)
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Keywords | 分身 / 映画 / 文学 / 近代 / 民衆 / 主体 / 分裂 |
Research Abstract |
映像研究班では、高木はフロイト精神分析における隠れた分裂的主体の現れとしての声との関連から、映画における声のあり方について、ホークス、小津安二郎、増村保造、ジャ・ジャンク「などの作品を例に分析し、さらにこれをブランショ、、ジャン・ジュネ、宮沢賢治などの文学における声の機能と比較検討した。メーリニコワは昨年に引き続き、ソ連時代の映画に表象された民衆像に着目し、それを日本とロシアの文学における民衆像と比較考察した。大平は、チェコ・アワァシキャルドの理論的リーダー、カセル・タイゲのポエティスム後勘エイセンシュテインの映画論との間に、.精神分裂者の退行現象に対する関心が共通五ることを明らかにするための準備作莱として、タイゲの映画論を取り上げ、.タイゲの映画観がフランス印象派に影響されたアヴァンギャルド映画論から大さく展開し、モンタージュ理論を経由し、最終的にはエイゼンシュテインの綜合芸術論に到達する道筋を明らかにしようと試みた。 文学研究班では、諫早はナボコフの「分身」をテーマとした作品『絶望』について、『プラハの大学生』など同時代の映画どの関わりを視野に入れつつ、「二重文化」「二重視」といった「二重世界」との関わりから考究した』.松本は、ノヴゴロド大学よりドゥトゥキン教授を招聰し、古典時代からドストエフスキイの時代に至登分身テーマについて講演をしてもらうー方、自身はドスエフスキイの『おかしな男の夢』を分身テーマから読み解く可能性を探った。銭鴎は、王国維が日本留学中に学んだ西洋哲学の知識をもって中国に帰国し、清朝末の政治・思想状況に直面したとき、そこにどのような主体の分裂と問題意識が生じたか考察した。宮嵜は昨年に引き続きマラルメ詩学における<身体>という位相から、詩入の分身としてのイジチュールの狂気について考察した。
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Research Products
(5 results)