2007 Fiscal Year Annual Research Report
意味理解から見た言語の構成と伝達の定位と日独語の対照可能性
Project/Area Number |
18320063
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 芳樹 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (30306831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 治朗 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (10323461)
小林 昌博 鳥取大学, 大学教育総合センター, 講師 (50361150)
田中 慎 千葉大学, 外国語センター, 准教授 (50236593)
吉田 光演 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (90182790)
吉本 啓 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (50282017)
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Keywords | Dynamic Syntax / 統語・意味インターフェイス / 意味・実用インターフェイス / モダリティー / コンテクスト理論 / 従属節と文の独立性 / (非)可算性 / 取り立て(情報構造) |
Research Abstract |
本年度は、一方では意味論の統語論とのインターフェイスとしてDynamic Syntax(DS)の枠組を発展させながら,他方,DSとの関連で形式的に捉えられる構造と実用論能力,認知能力とのインターフェイスでは,形式意味論・実用論と認知意味論・実用論の双方の成果を取り入れながらテクスト・ディスコースとコンテクストの分析を進めることを狙いとした。 形式文法の発展のためにDSの実装以外にも、Multimodal Type Logical Grammarの枠組を用いた分析を語順と量化詞などの現象に適用しただけでなく、さらに1歩進めて計算機科学でも使用されるContinuation(継続)を文法分析にも使用する試みに着手した。成果は来年度以降に期待される。DSに基づく脳科学との境界における言語処理分析も進展している。 日本語,英語,ドイツ語の対照文法を充実させる目的のために、個別言語分析と対照分析によって、モダリティーを中心的に研究し、時制、アスペクトとの相互作用を分析した。この分野の研究は、我々が進める「コンテクスト鼎立説」との関係で、さらに継続されることになろう。この関係で、新たな下位分野としてモダリティーと文の独立性や複文の従属性との関連が研究課題として浮上してきた。とくに時間性従属接続と継続的関係文(weiterfuhrende Relativsatze)を取り上げた。後者については、来年度に成果を提出できよう。同様の視点からの分析を可能にすることを目指して、節の右方移動の問題にも取り組んでいる。 同様にして成果を挙げることのできた分野に、(非)可算性に関する名詞解釈、格表示を含む名詞の項関係、そして情報構造との関連で取り立てがある。 なお、2007年6月には、Prof. Dr. Gerhard Jager(Universitat Bielefeld)が当プロジェクトの招待で来日した。
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Research Products
(24 results)