2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代巨大地主家(宮城県河南町齋藤家)文書の整理とアーカイブズ学的研究
Project/Area Number |
18320096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大藤 修 東北大学, 文学研究科, 教授 (20110075)
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Keywords | 齋藤家善右衛門 / 近代地主制 / アーカイブズ学 |
Research Abstract |
本年度は4年計画の初年度であるので、文書の整理に要する整理箱を320箱、整理封筒を3万300枚、データ記入カードを1万枚特注して作成するとともに、文書の保管形態を撮影するためのデジタルカメラを3台、カードに採録したデータの入力用パソコンを4台購入した。 作業は東北大学文学部・文学研究科で日本史を専攻し、文書の読解と整理の訓練を受けている学生を協力者として雇用して進めた。アーカイブズ学では文書整理の原則として出所原則と原秩序尊重の原則が打ち出されている。本整理もそれに則り、齋藤家での保管場所、保管容器の区分を尊重して行った。文書本体は整理封筒に入れた上で整理箱に収納しているが、整理箱への収納は齋藤家における保管容器ごとのまとまりに対応させている。関連文書は袋に入れたり、まとめて紐や紙縒りで束ねたりしてあるので、整理のためにそれを解体せざるを得ない場合は写真撮影をした上で行った。文書の基本データはカードに記述した上でパソコンに入力している。 本年度は整理とカードへの基本データの採録作業に力を注ぎ、総数10万点余のうち6割くらいを終えることができた。併せてパソコンへのデータ入力も進めた。整理の進展によって、斎藤家の歴史と同家伝来文書の構成、同家における文書の保存管理のあり方などが大分明らかとなったので、その成果を、平成19年3月29日開催の東北大学大学院文学研究科歴史科学専攻主催公開シンポジウム「歴史資源としての史料分析の現在」において、「日本近代巨大地主家(宮城県河南町齋藤家)文書の整理とアーカイブズ学」と題して発表した。また、斎藤家は東日本一帯に土地を所有していたので、関連文書の調査も行った。
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