2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代巨大地主家(宮城県河南町齋藤家)文書の整理とアーカイブズ学的研究
Project/Area Number |
18320096
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大藤 修 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (20110075)
|
Keywords | 宮城県桃生郡河南町齋藤家 / 齋藤善右衛門 / 齋藤株式会社 / 齋藤報恩会 / 近代地主制 / 小作争議 |
Research Abstract |
3年目に当たる平成20年度は、未整理文書の整理作業と目録作成を、東北大学大学院文学研究科で日本史を専攻し、文書の読解と整理の訓練を受けている学生を協力者として雇用して進めた。 物理的な整理作業は文書の整理封筒と整理箱への収納であり、目録作成は文書の基本データをパソコンに入力して行っている。齋藤家文書は10万点を超える膨大なものであるが、この作業は9割程度終えることができた。その結果、齋藤家文書群全体の構成もかなり明らかとなった。基本をなすのは金融と地主経営に関わる帳簿、および金銭貸借や小作料をめぐる訴訟・裁判関係文書であるが、北海道、常磐、九州などの炭鉱経営、北洋漁業経営にも関わり、また日本の満蒙進出に伴い、南満州鉄道や満蒙鉱業にも投資しており、その関係文書や株券も多く含まれる。齋藤家の地主としての成長過程と経営組織、そして蓄積された地主資本が資本主義システムのなかでどのように運用されたかが知られ、質量ともに史料的価値がきわめて高いことが判明した。 平成21年度は最終年度であるので、整理とデータのパソコンへの入力作業を終え、データを整理分析してアーカイブズ学的研究を行い、それを踏まえて解題を書き、冊子体の文書目録を作成、刊行するとともに、ウエッブ上でも目録を公開し、原文書の閲覧公開ができよるにする予定である。
|