2009 Fiscal Year Annual Research Report
中近世移行期における鉱山開発と地域社会の変容に関する研究
Project/Area Number |
18320105
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
池 享 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 教授 (20134885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30230270)
七海 雅人 東北学院大学, 文学部, 准教授 (00405888)
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Keywords | 御本判制度 / 大肝入 / 村肝入 / 産金遺跡 / 土金 / 山守 |
Research Abstract |
近世において仙台藩の支配下にあった岩手県東山地域で、金採掘の許可証である「御本判」の大肝入(所持者の統括責任者)を務めた旧磐井郡東山町松川の鈴木家文書と、村肝入を務めた旧磐井郡室根町津谷川の畠山家文書について、目録および一部(元禄期まで)の翻刻を、平成20年度に引き続き行い完成させた。両家の文書は当該研究に関する重要資料であり、これまでも『岩手県史』・『宮城県史』などの自治体史をはじめ、様々な研究で利用されてきたが、一部にとどまり目録も作成されていなかった。本研究により、両家の文書の全体像が、目録段階にとどまるとはいえ明らかにされたことは、今後の研究の発展にとって極めて重要な意義をもつものである。 また、松川・津谷川地区で、本分家関係、屋敷名・屋号・通称、神社・氏子関係、小字地名、鉱山に関する産金地・水路の所在、山林の利用などについて聞き取り調査を行い、その内容を記載した地図を作製した。これも、今後の研究において貴重な情報を収集・整理したものとして重要な意義がある。 この他に、長年地元で東山地域の金山に関する研究を続けてこられた千葉房夫氏の調査記録をノート目録の形で紹介したもの、これまで注目されてこなかった「土金」採取に関する情報を、気仙地域(陸前高田市・大船渡市・岩手県気仙郡)を中心に活動している「産金遺跡研究会」(代表平山憲治氏)の協力により収集したものなどを収めた「研究成果報告書」を作製した。これも、本研究の中間総括として、重要な意義をもつものである。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
柳原敏昭
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Journal Title
『東北大学百年史』3・通史3 第4編第2章「東北帝国大学時代の『生協』」(東北大学百年史編集委員会編)(東北大学出版会)
Pages: 332-387
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[Journal Article]2010
Author(s)
柳原敏昭(共著)
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Journal Title
『東北人の自画像』の4「太田正雄東北帝大医学部教授 (木下杢太郎) と学生たち」(三浦秀一編)(東北大学出版会)
Pages: 131-174
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