2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320113
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
新井 勝紘 Senshu University, 文学部, 教授 (40222707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明 鹿児島大学, 法文学部, 准教授 (00381145)
|
Keywords | 軍事郵便 / 日本史 / 宗教学 / 社会学 / 従軍日記 / 戦争 / メディア / 兵士 |
Research Abstract |
本研究の目的は軍事郵便と従軍日記をパーソナルメディアとしてとらえ、資料の所在を明らかにするとともに、軍事郵便の制度史、軍事郵便・従軍日記を記した、兵士や地域の人々の戦争に対する意識と明らかにするものである。 今年度の本研究に関する研究会は、2009年7月22日と8月21日に郵政資料館と連携し2回行なった。そのなかで自治体史では日清・日露戦争期は軍事郵便を資料として取り上げているが、その後の戦争のなかではあまり扱われていないことが指摘された。また、郵政資料館の所蔵する資料を活用して、制度的な側面の実態について精緻に調査する必要があることが確認された。 さらに、今年度は3月16日~18日にかけて高知県へ調査に行った。16日は高知ミモザの会との研究会、同会の所蔵する軍事郵便の調査を行なった。同会は軍事郵便をもとに『戦地から土佐への手紙』(同会編集・発行、2009年)を出版し、軍事郵便を多数収集している。17日は自由民権記念館の会議一室にて研究会を行なった。報告者は高知大学・小幡尚氏で、北原忠霊塔をテーマに報告した。また、同氏の案内のもと高知市内及び近郊の忠魂碑、忠霊塔を調査した。忠魂碑、忠霊塔が地域に及ぼした影響と当地の軍事郵便にみられる地域のあり方を関連させて考える必要があることを認識した。18日は平和資料館・草の家にて、軍事郵便の調査を行なつた。 これらの研究会や調査から、軍事郵便や従軍日記の歴史的・資料的意味や価値についての認識を新たにすることができた。また、全国客地で取り組まれている翻刻や出版についての総台的把握の必要性を認識するとともに、軍事郵便や従軍日記がいまだに多くの人々に強い影響力を持っていることをさらに深く考察しなければならないことを痛感した。
|
Research Products
(1 results)